第3話 僕の本屋さん3

「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・」

僕は懸命にペダルを漕いでいました。


五段変速の自転車。

深夜のバイパス。


時は高校二年生の2月。


真っ暗な夜道を。

白い息を吐きながら。


家からの5kmのアスファルトを。

休みもせずに一気に。


風になびくトレンチコート。

その下は。


パジャマ。(笑)


そうなんです。

夜中に若い妄想を持て余した進少年。


なけなしの、お小遣い。

500円を握りしめて。


ある場所へと向かったのです。


田舎のバイパス沿いにある。

不思議な自動販売機。


昼間は、ハーフミラーのシートで。

鏡になっていて、中身は見えない。


でもでも。

誰もが知っている。


そうです。

エロ本の自販機!


最初に見つけてから。

何気にチェックしていた。


そうです。

あの、エロ本自販機なのです。


正月のお年玉を貯めておいて。

この時のために。


進少年。

走ったのでした。


果たして。

その、結果は?


ダラダラダラ・・・。

チ~ン!


やっぱり。

ケチって、300円のにしたのが敗因。


無残な内容でした。

(それでも最後まで読みました。(笑))


仕方ない。

このまま、寝ますか。


いやいやいや。

17歳の熱い血は、静まる筈もなく。


再び、五段変速。

バイパス、ダッシュ!


※※※※※※※※※※※※※※※


果たして。

その、結果は?


ダラダラダラ・・・。

チ~ン!


※※※※※※※※※※※※※※※


追加の1000円札を握りしめ。

一番高い700円の本を買いました。


そうです。

皆様の想像通り。


無残な結果でした。

(それでも最後まで読みました。(笑))


そして。

その本は。


数か月後に。

親父の部屋にありました。(笑)

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