ナルフェック王国の男爵令嬢であるクリスティーヌ。
彼女は自らの身分と役目を誰よりも自覚し、その為に出来る事に努力を惜しまない、賢く強く優しい女性です。
家族や領民を思い行動する彼女ですが、日々を過ごし、そこで出会った人々との交流によって、本当の幸せとは何かを考えていきます。
クリスティーヌの生活や彼女を取り巻く人々との交流を、とても丁寧に描かれています。
家族や領民を思って生きるクリスティーヌはとても真っ直ぐで直向きで、それ故に少しもどかしく感じる所もあり、読んでいく内に彼女を応援する気持ちでいっぱいになってしまいました。
そんな彼女が最後に選び、見つけたものが何なのか。
是非読んでみて欲しい素敵なお話です!
婚約破棄から始まる本作品。
けれど、物語は焦点は……別のところにある。
同じ爵位である男爵家の令嬢として、身分違いの恋など、そんな夢は見ない。
家の為、領民の為、できることをしようとするクリステーヌ。
すべてそこに直結する姿は、何処か危うさを感じるものの、彼女にはそのような生き方しかできなかった。
上位貴族からダンスを申し込まれても、好意を向けられても。
けれど、使命感がいつしか、好きなものに変わり、やりがいへと変化する。
そして、それを理解してくれる殿方が……。
様々な制約を課せられる貴族の中で、クリステーヌが見つけた、『本当の幸せ』
是非、読んでみてください。
とある国の婚約破棄事件から始まる、このお話。
本当のヒロインは隣国の男爵令嬢、クリスティーヌでした。
彼女は事件を反面教師に、身の程をわきまえて、男爵家や領民の為に生きると決意します。
とても真面目で勉強熱心、そして自分を『チェスの駒』と言い切る、完璧過ぎる姿に…「本当に?それで幸せなの?」と読んでいて、少しハラハラしてしまいます。
でも、とある令息と知り合い、二人だけでデートの様な1日を過ごすシーンのヒロインは、とても生き生きと楽しそうで…ほっこり。
他にも様々な事件が起こり、その中で見つけた『本当の幸せ』とは?
宮廷絵巻の様なストーリーを楽しみながら、ヒロイン、クリスティーヌの幸せを、一緒に探してみてください♪
貴族としての義務と誇りを胸に、錆びつくことのない芯を心に抱き、前を向いて凛として生きていくある男爵令嬢の物語です。
タグにもあるように「ざまぁ」の要素もありますが、物語の主軸がそこに無いことが他の令嬢ざまぁモノとは違います。
ざまぁモノにありがちな、立場の低い者が立場の高い物にざまぁするカタルシスを楽しむのではなく、ただひたむきに努力を重ね、その努力と実績、そして凛とした生き方に共感して胸を熱くする物語なのです。
決していじけず、誰を恨むこともなく、自身のおかれた立場を理解し、自分を信頼して手を差し伸べてくれる仲間たちに囲まれながら、目標に向かって努力していくその令嬢の姿に、読者はきっと惹かれていくことでしょう。
程良いボリューム感も好印象で、ゆっくりと物語の世界に入り込みながら読み進められると思います。
ざまぁモノがお好きな方はもちろん、恋愛モノがお好きな方や、頑張る女性がお好きな方・共感したい方にはご満足いただける内容かと思います。
領地や領民のために砕身粉骨で努力する令嬢が自らの価値を高め、やがて幸せを追い求めようとした時、そこに待っているのは破滅か、それとも―― ぜひ本編にてお楽しみください。