その他
シュウさんの作品の幅は広すぎる。彼にはいったい何が見えているのだろうか。我々が必死に売れようと作品を作っているのに、あっという間に我々の作品の上を行く。いくつもの登場人物や物語が思い浮かぶ天才なのだろう。
けれど、彼本人と交流するとそんな天才には見えない。とても多種多様な作品を書けるような人とは思えない。まるで、複数の異なる人がシュウさんという人の体を借りて作品を書いているようだ。
そういえば賞を作ろうという動きが合った時、シュウさんは人が変わったかのように賞を欲しがった。地位も名誉も金も才能も持っているというのに、なぜ賞なんて欲しがるのだろうか?
「あなたの存在は大きすぎるのです。新人を育てなければ小説の未来はありません」
正直にそう伝えた。それほどシュウさんの人気は強すぎた。それから数日後、一緒に暮らしていた男と心中未遂をしたらしい。いったい、シュウさんはなぜそこまで賞と欲しがったのだろうか?
【小説家から見た小説家シュウについて 著:ライアン より引用】
◇
彼ほどの才能を持った人物を私は見たことがない。
いくつもの作品を世に出してそのほぼすべてが民衆にうけたが、とある一つの作品が実に惜しい。面白いといえば面白いのだが、他の作品に比べれば見劣りする作品だった。
それがなければ完璧すぎる人間になってしまうと私は思っていたのだが、彼を嫌う評論家はその傷のような面白みのない作品に過剰に反応した。その作品が発表された時にはシュウ先生の時代は終わったなどと言ったのだ。
次にそんな作品が出ないか待ちわびているような評論家を私は好かない。
【作家シュウの天才性と評論家の姿勢 著:アイリー より引用】
◇
「へえ、これがこっちで読まれている本なんだ。俺はラノベしか読まないから詳しくないけど、なんか学校の教科書で似たような話を見たことがある気がする。世界が変わっても似たような話はあるもんだな。え、この作家さん自殺したの? どんな人だったんだろう」
【異世界転移者の流行本への感想】
創作者失格 伊藤乃蒼 @noa4268
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