777

嬉野K

ラッキーセブン賞、というものがあるらしいぞ

「ラッキーセブン賞、というものがあるらしいぞ」私の病室に見舞いに来た彼は突然そんな事を言った。「たしかキミは、とある小説投稿サイトの7周年イベントに参加していたね」

「そうだね……」病室のベッドで私は答える。「お題に対して小説を投稿する企画だね」

「その企画の中にラッキーセブン賞というものがある」

「知ってるよ。777文字ピッタリの投稿で投稿したら……抽選でプレゼントが当たる可能性があるんでしょ」


 それがどうかしたの?と私は彼に視線で問いかける。


「最後のお題……ラッキーセブン賞を狙ったらどうだい?」

「……それもいいけど……私にはその技量がないの。777文字で起承転結をしっかりまとめる技量がね。777文字でしっかり面白い他の人たちはすごいよ」


 私はダラダラと長く書いてしまう。なのに起承転結もないよくわからない話が量産されている。


「じゃあ長いのを書いて投稿するかい? 事故にあったばかりの体で?」

「……」たしかに私は、とある事故にあってしまって入院中だ。左腕が上手く動かない。「……つまり、スマホでいいから777文字の物語を書けと?」

「そうだね。パソコンは扱えないだろう?」左腕が使えないから。「だったらせっかくの皆勤賞+ラッキーセブン賞狙いで投稿すればいい。技量がないなんて、体の良いさ」

「技量は上げないといけないけど……今すぐは無理だよ。今やるならネタに走っちゃう」

「例えば?」

「そうだね……話の途中で突然ぶった切れて、777文字に収まる物語。こいつ明らかに777文字のラッキーセブン賞狙いだなってわかるやつ」

 

 だけれど……


「それも……いいわけかな……」私は言う。「しっかり777文字でまとめる力をつけないといけないんだよね。いいわけしてても上達しない。しっかりと物語を作り上げないといけない」

「そうだね」

「わかった……私、やるよ。777文字で物語を作

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