必殺裏ギルド~いいわけの報酬~
ムネミツ
第1話 必殺裏ギルド~いいわけの報酬~
「エルザよ、この血まみれ金貨で貧民街の礼拝堂の裏ギルドに仇を頼む!」
「お父様、必ずやこの怨みを晴らしてごらんに入れますわ!」
「伯爵令嬢は何処だ~! 殺せ~っ!」
月夜の晩に燃える貴族の館。
豊満な体をピンクのドレスで包んだ、金髪縦ロールの美しき令嬢。
彼女は拳で壁を砕き、崖を飛び降りて館から脱出する。
「なるほど、ご依頼は承りました」
「感謝します、私も共に戦わせて下さいませ!」
己の拳で難を砕いて辿り着いた礼拝堂の地下。
エルザは黒の修道服を着た緑髪のエルフのシスターに頼む。
「お嬢さん良いのかい、その道は辛いぜ?」
「お優しいのですね、東の国のお侍様は♪」
白い着流しに刀を一本差しにした、黒髪の少年剣士が令嬢を案じる。
「チヨノスケさんがお守りすれば良いのです、神の思し召しですね♪」
エルフのシスターが微笑む。
「これ、エメラーダよやめておけ? まったく、これだからエルフは気が早い」
白衣姿のマッチョなドワーフのドンがシスターの言葉に呆れる。
「ドン先生もお受けくださると、それでは血まみれ金貨を」
シスターのエメラーダが報酬を促す。
エルザが血まみれ金貨の他に金貨袋を皆差し出した。
「私の全財産です、この裏ギルドは私が買い取ります♪」
エルザは裏ギルドを買い取った。
夜、標的であるデブ侯爵の屋敷の門が爆破される。
「ドワーフの爆薬は世界一じゃ!」
「はいはい、次弾装填しますね」
ドンとエメラーダが二人乗りの魔法の自走砲で砲撃し陽動する。
雇われた手下達は砲撃で壊滅した。
「チェスト~ッ!」
「強いよこのお嬢様」
エルザが裏から屋敷を壊し、チヨノスケが中にいた手勢を切り捨てる。
「まて、あれは伯爵が賄賂を渋ったから!」
「言い訳は無用ですわ!」
辿り着いた侯爵の私室、エルザが拳でデブ侯爵の頭部を殴り爆砕する。
事を終えたエルザ達は脱出した。
エルザを新リーダーに迎えた裏ギルドは今日も悪を討つ。
必殺裏ギルド~いいわけの報酬~ ムネミツ @yukinosita
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