アンラッキー7's-OO-
奈名瀬
-777-
満員の駐輪場。
だが、そこにぽっかりと空いたおかしなスペースを見つけて、思わずため息がこぼれた。
「……またか」
しかも、すぐ隣には真新しい綺麗な自転車が置いてあるのだから堪らない。
「……運の良い奴」
昔なら、『運が悪かった』の一言で済んだかもしれないが……現代では違うのだ。
◆
持って生まれた運を数値化できる現代において、私は不運だった。
しかも、運を一桁と測定された数少ない不幸体質――通称『
だが、良くも悪くも転機は訪れる。
数年が経ち、運を3桁と測定された者――『ハンドレッター』の傍にOOがいたら、
つまり、
「素晴らしい! 君、幸運値が7ではないか!」
金持ちのハンドレッターが上機嫌に笑う。
「今飼っているOOも実は同じ幸運値でねぇ。僕はラッキーナンバーに目がないんだよ」
彼は隣に連れていた少女の頬を叩きながら嬉しそうに語った。
「それに、容姿も悪くない……決めた! 予備は君にしよう! 仲介人、いくらだね?」
いやらしい表情で問うハンドレッターに、仲介人と呼ばれた男は一言、
「ご愁傷様」
と返した。
直後、ハンドレッターのスマホに着信が入る。
電話に出た彼は青ざめた顔で「会社が、倒産?」と呟いた。
◆
数日後、私は仲介人の男と、倒産したハンドレッターに飼われていたOOの少女と一緒にいた。
「本当なんだ、ハンドレッターの傍に幸運値7のOOが3人いると彼らに不幸が訪れるって」
男は笑いながら「面白かっただろう?」と尋ねてくる。
……正直、胸がスカッとした。
しかし、今は同意するよりも先にやることがある。
「あなた、何者なの?」
恐る恐る訊くと、彼は顔を上げ、
「……セブン」
復讐者の笑みで応えた。
「俺は――俺たちは、世のハンドレッター達に最悪を届ける。不幸の
アンラッキー7's-OO- 奈名瀬 @nanase-tomoya
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