花屋の花川くん

青甘(あおあま)

第1輪 アイビー(前編)

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「いいかい?花屋というのはね、人と人がつながるのを、花や植物を通して手助けするためにあるんだよ。大切な人に想いを伝えるのは難しいからね、花は伝えることを助けてくらるんだよ。」


「すげー!花ってカッコいいな!」


「そうだろう?だからこそ花を扱うには誠実でなくちゃあいけない。藍日はどうかな?」



********



俺は、小学生の頃の祖母とのやりとりを思い出していた。なぜなら、ついに花屋で働くことになったからだ。働く場所は祖母が経営していた「リアン」という花屋である。


それじゃあ、頑張ってくるよ!


俺はそう言い、家を出た








【フラワーショップ「リアン」】



退屈だ。開店初日であるが人は誰も来ないまま半日が過ぎた。


このまま、今日は誰も来ないのかな〜




ガチャ

そう思った矢先、1人の女子高生が来た


「いらっしゃいませ!本日はどういったご利用で?」


「は?花を見にきたに決まってんでしょ?」

強めの口調で言ってくる


まぁ、確かにそれしかないが・・・・・・・

「ふ〜ん。花屋って色んな種類の花があるのね」


「そうなんですよ!今の季節だとポピーやマーガレット、パンジーなどがおすすめですよ。」


「そ、そう」


すこし、俺の様子に驚いたのか、引き気味に言ってきた


「まぁ、でも花って地味なのよね。やっぱりおしゃれするにはもっと値段が高くて可愛いものじゃないと」


そう言い放ちその女子高生は出て行った。

はー、買ってもらえなかったか・・・・・・・・



初日だしな、まだこれからだ!




【一週間後】

全然人が来ない!


もう一週間も経つのに未だに訪れたのはあの女子高生だけだ。


俺やっていけるのかな、おばあちゃん・・・・・



「何すんのよ!!」

物思いに耽っていると、ちょうど店先で揉めているようだった


急いで、店から出るとどうやら唯一店を訪れた女の子とその子の友達?らしき子が揉めているようだった



「だから全く同じやつ買ってきたじゃない!ほら、これでしょ?」

「違うよ、そうじゃないよ。そういうことじゃない・・・・・瑞稀にはわからないよ」

そう言って友達?は走って行った


「なによ、じゃあどういうことなのよ!分からないわよ・・・・」



なんと泣き出してしまった。

どんどん人が集まってくる


しょうがない。


「ひとまずお店においで。飲み物でも出すから」


まずは何があったのか聞いてみるか

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花屋の花川くん 青甘(あおあま) @seiama

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