(アン)ラッキーガイ・セブン
紫陽_凛
その日彼は遅刻をした
ニューカジノ「ユグドラシル」の「クイーン」って言えば有名だ。
腕に覚えのある連中が何人も彼女にチャレンジしたけど、やっぱり早く抜けたほうが損が少なくて済むね。彼女に挑み続けたが最後、骨の髄までむしられて終わりさ。引き際を見極めた奴がいちばんいい思いをするんだよ。はは、男と女の関係にも似てるかな。
さて、今宵の無謀な奴らを紹介しよう。ゴブリン族の男がふたりと、ヒューマン族の小男と……おっと。ゴブリン族のやつ、早くも
あっという間に、「クイーン」とヒューマンの「サシ」になっちまった。
しかし、七郎にも勝算がある。手札の五枚中、四枚が
(さすがにこれより大きな役は出まい)
七郎は7という数字が好きだ。よく、「ラッキーセブン」という。何より七郎自身が、七月七日七時七分に生まれた男である。
(うなれ、俺のフォーカード!)
お互いのカードが開示される。
「ロッ……!?」
言葉の続きを言えぬまま、七郎は目覚めた。
目覚まし時計は床に転がっていた。7を指し示す短針は少しずれている。七郎は瞬きをして、ベッドから跳ね起きた。
頭を掻きむしりながら支度をし、朝食も取らずにアパートを出る。
「くそ、負けた……!」
(アン)ラッキーガイ・セブン 紫陽_凛 @syw_rin
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