第4話 ていうかなんだったのあの武装集団(ホログラムです)


 無事、敵を撃退したハヤトはアイとドクターを見やる。

 そこにはにこやかに拍手する二人と、その背後から襲いかかる武装集団。

「あっb」

 危ないと言いかけて、二人は後ろを振り返ると光線銃をぶっ放した。

「は?」

 武装集団は木っ端微塵になった。

「君にもCが使えるなら私達にも使えるのも道理だろう?」

「いやそうかもしんないけど」

「そういうことです、ハヤト様」

「アイまで……」

 やれやれ、と首を振るとハヤトは状況説明を求めた。

「今、セントラルシティはAI奴隷商に支配され無法地帯と化している。ホログラム武装集団に襲われ連れ去られた人は後を絶たない」

「ホログラム武装集団?」

「如何にも、ここはメタバースだからね」

 メタバース、なんか聞いたことあるけどハヤトは思い出せない。

 カードゲームだっけなどと思いながら。

「ホログラム武装集団は今もその活動範囲を広げています」

「長いからホロ武でいい?」

「怒られそうだから却下だ」

 妥協案でホログラ集団まで縮められた。

 ホログラ集団は今、セントラルシティの中枢に根を張っているようだ。

「じゃあ行くか、セントラルシティの中枢……ってどこ」

「東京タワーです」

「まだあるんだ東京タワー……スカ〇ツリーじゃないんだ……」

 というわけであの赤いランドマークに向けて歩を進める一行。

 見えて来たのは約333メートルの錆びついた電波塔。

 そこにはホログラ集団が蠢いていた。

「いや多すぎんだろ……コミケかよ……」

「一掃兵装の使用を推奨します」

「一掃兵装?」

「はいC・RRRコントローラー・リユニオン・リバース・リベレイション、対広範囲制圧用プログラムです」

 よく分からなかったがまた脳波とやらで使えるのだろう。

 そう思いハヤトはC・RRRを脳波で念じて起動する。

 それは長方形の集まったゴツイ長方形だった。

 なんかポリゴンの塊っぽい。

「なんかグラフィックの質低くない?」

「他にリソースを割きました」

「そう……」

「では我々は後ろに下がりますね」

 なんかワンパターンな流れ作業に若干のを感じながら、トリガーに手をかける。

 放たれる閃光。

 触れた者から蒸発していく。

 特に感慨もない。

 そもそもハヤトの目的は生き返る事であり、こんなことではなく、そして目的は達成している。

 ので、これは余暇でしかなく。

 生き返ったついでに世界を救ってやらぁという感じでしかない。

 武装集団を焼き払うと東京タワーのある芝公園は焦土と化した。

 すると東京タワーが動きだした。

「は?」

「あれがAI奴隷商の最終兵器、『電波ジャッカー』です」

「だっっっっっっ」

「Cギアの本領発揮だ、レヴォルチェンジしたまえ」

「なんすかそれ」

 ハヤトは首を傾げる。

「Cギアの本体、機神Cを開放しその姿を顕現させるのだ」

「???」

「いいからほら脳波でちょちょいと」

「ええいままよ!」

 屹立する巨神、機械仕掛けの神様。C・D・X・Mコントローラー・デウス・エクス・マキナ

 東京タワーもとい電波ジャッカーと取っ組み合いになる。

「ここからはハッキング戦だ! 殴り合え!」

「言葉の前半と後半が合致してねぇ!」

 巨神とランドマークロボの殴打の応酬。

 巨神のが優勢、しかしランドマークロボが怪電波を発生させる。

 乱れるコクピット内の画面。

「しゃらくせぇ!」

 蹴りで文字通り一蹴する。

 そして巨神は炉心を開放すると電波ジャッカーに向けて光線を放った。

「ブラックホール・コントローラー・キャノン! 喰らいやがれェェェェ!!!」

 東京タワーの中心を穿つと。

 電波ジャッカーはその機能を停止した。

 こうして巨神はセントラルシティの中枢を取り戻したのだった。

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異世界転生したと思ったらSF世界でした!?~ニワカ野郎が頑張ってAIの支配から逃れるだけの話~ 亜未田久志 @abky-6102

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