7のつく日はろくでもない日

ゆきまる書房

第1話 これだから7は……

 7という数字は、昔からラッキーな数字だと言われてきた。私の友だちも子どもの頃、7という数字にまつわるおまじないなどをしてきたらしい。

 だが、私にとって7はその逆。不幸を呼び込む数字だ。何でも物が7つあると、必ずそれら全てを失くす。友だちが7人まで増えると、必ずもめ事が起こって友だちがみんないなくなる。7歳の年なんか最悪だ。小学一年生なのに学級崩壊し、おかげで最悪なスタートを切った。

 それに何より昔から7のつく日には、私にとっての不幸が起こる。全て上げたらキリがないが、その中でも特に印象に残っている日を上げよう。

 まず幼稚園の頃の6月7日、園で集団食中毒が起こり、一番の友だちが死んだ。小学生の頃の10月17日、運動会の最中、子どものカメラ撮影を巡る保護者同士のもめ事が大きくなり、巻き込まれた母が腕を骨折する大怪我を負った。中学生の頃の7月27日、部活帰りの兄が信号無視の車に轢かれ、そのせいで足が不自由になった。高校生の頃の12月17日、家に帰るとリストラされた父が首を吊っていた。大学生の頃には7のつく日に限って大きなもめ事が起こり、あまりにも多すぎるためここでは省略する。

 そして、社会人になって7年目が経とうとしている4月の7日、山奥で作業をしていたら会社の後輩に出会ってしまった。ここは私の祖父母の土地だから、勝手に入ってきたのだろう。後輩はそういう人間だ。

 私の姿を見つけた後輩に声をかけられて気付き、作業を隠す間もなく後輩が私に近づいた。みるみるうちに後輩の顔が青ざめ、私から一歩後ずさる。私が掘った穴の中の人物が、物言わぬ骸と分かったからだ。

 ああ、本当に7という日は。シャベルを持ち直した私が後輩に近づくと、後輩は腰を抜かしつつ逃げていった。幸いなことは、私がこの山を知り尽くしているということか。全く、同じことを何度繰り返せばいいのだろう。

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