第13話 逆恨みすら飲み込んで

 踊り終わったニコールを、もちろん周囲の淑女たちが放っておくわけもなく、取り囲まれて様々な話に花が咲き、しばらくして。


「ふぅ……申し訳ございません、皆様とのお話があまりに楽しすぎて、少々飲み過ぎてしまったようです。

 少し、涼んで火照りを冷まして参りますね」


 そう断って、ニコールは囲みから抜けた。

 ちらりと両親の姿を探せば、ラフウェル公爵と何やら話し込んでいる様子。

 であれば、一人席を外すのも仕方ないところだろう。

 そんな風体を装って、ニコールは会場から離れたところにあるバルコニーへと出た。

 

 春も半ばを過ぎ、夜風と言えども幾分寒さは緩み、お酒の入った身体には心地よい。

 豪奢な柵に手を掛けて、風の音を聞くかのように目を閉じる。

 しばし、自然の音に身を任せて。


 それから。

 聞こえてきた足音に、ゆっくりと振り返った。

 そして。

 予想通りの顔に……微笑みを見せながら、とっておきのカーテシーを披露してみせる。


「これはこれは、お初にお目にかかります侯爵閣下。

 このような場所で、奇遇でございますわね?」


 ニコールの挨拶に、現れた人物……パシフィカ侯爵はピクリと眉を跳ねさせ。

 しかし、その感情の動きをすぐに飲み込み、ギロリとニコールへ目を向ける。

 それでもまだ、睨む、という程には感情を出していないのが、彼のせめてものプライドだろうか。


 そして、感情を抑え付けているからだろうか、しばしの沈黙が流れて。

 その間も、ニコールは微塵も揺るがずにカーテシーの姿勢をとっていた。

 つまりは、不安定な格好で、頭を差し出したまま。

 彼が何者であるかを考えれば、なんとも無防備……いや、むしろ自殺行為とすら言って良いだろうに。

 ニコールは平気な顔で頭を下げ続け、だからパシフィカ侯爵は何も出来ない。


「そうか。確かに、こうして会うのは初めてなのだな、ニコール・フォン・プランテッド」


 今更気付いたかのように、どこか心ここにあらずな声で返す侯爵。

 社交界などで遠目に見たことはあったかも知れないが。

 こうして言葉を交わし相まみえるのは、これが初めてだった。

 侯爵からすれば、とてもそうは思えないのだが。


「だが、わしは知っている。貴様のことを、よく知っている。金に物を言わせて人を雇い、根掘り葉掘り調べ上げた。

 そのはずだ。

 ……だというのに……わからん。貴様は、一体何なのだ……?」


 プランテッド領を調べさせれば、すぐに浮かび上がった特異な存在。

 ニコール・フォン・プランテッドの行いによって、パシフィカ侯爵家の凋落は始まり、今こうして、終焉を迎えようとしている。

 そのことは、ことここに至っては、パシフィカ侯爵とて理解せざるを得ない。


 だからこそ。

 己を破滅へと導いた死神の正体を知りたい。いや、知らねばならぬ。

 自身へと言い聞かせている侯爵を前にして、声を掛けられたから、とカーテシーの姿勢を解き、パシフィカ侯爵へと相対するニコールは、あどけない少女としか言いようのない外見。

 だというのに。政敵というべき侯爵を前にして、微塵も動揺した気配がない。

 それがまた、何とも憎たらしい。


「何だと問われましても、どこにでもいる普通の伯爵令嬢ですわよ?」

「貴様のような女が、普通の令嬢なわけがあるか! このわしを、栄光あるパシフィカ侯爵家の当代であるわしをここまで追い詰めた貴様が!」


 あまりに飄々とした様子で返されたものだから、ついに侯爵の我慢も限界を迎えた。

 激高し、唾を飛ばしながら声を上げ、睨み付け。

 そしてそれらは、柳の枝を揺らす風のように受け流される。

 

「お言葉ですが侯爵閣下、わたくしも、わたくしどもプランテッド領の面々も、閣下を追い詰めたつもりなどございません。

 失礼ながら、御自らご自身を追い詰めておられた。それだけのことです」


 あっさりと。さも当然のように返されて。

 また声を上げそうになった侯爵は、踏みとどまった。

 

 思い返せば、確かにプランテッド領から積極的に工作を仕掛けられたわけではない。

 むしろ、降って湧いた難題を、あるいは侯爵が仕掛けたトラブルを、解決していっただけに過ぎない、と言えばそうなのだ。

 

「そもそも事の発端は、エイミー・モンティエン嬢の理不尽な解雇。

 そのこと自体は、事後とはいえお調べになっておわかりでしょうけれども」


 問われて。パシフィカ侯爵は、何も言い返せない。その通りだと、彼も知ってはいるのだから。


「元を辿れば、彼女を解雇した責任者こそが元凶。そこから資材発注関連のトラブルが起こり、現場で作業が出来なくなっただけのこと。

 そして、わたくしどもが放出された人材をご縁があって雇い入れたことに、何ら問題はございませんでしょう?」


 例えばこれが、引き抜きによるものであれば話はまた変わってくるが。

 そうではなくエイミーは解雇されたのであり、彼女がプランテッド領にやってきたのはたまたまだ。

 そして、エイミーをニコールが拾ったのも。

 それらはつまり。


「まあ結局のところ、こうなったのは日頃の行いの結果、としか言いようがございませんわね」

「き、貴様、言うに事欠いて、日頃の行いだと!? わしが、わしが間違っていたとでも言うのか!!」


 あっさりとニコールが言えば、侯爵は堪えきれなかったか、声を上げた。

 だが同時に、その声に虚しさを感じてもいた。

 

「全てが、とは申しませんし、利を求めることも否定はいたしませんが。

 それでも、間違っていたところはいくつもあり、それらが重なったからこその今ではございませんか」


 激高する侯爵へ、ひたりと向けられるニコールの視線は、静かだ。

 糾弾するでなく、嘲るでなく。

 声も表情も、淡々と、侯爵を追い詰めていくかのような圧があって。

 知らぬ間に、侯爵は一歩、足を引いていた。


「そして、それらの間違いを恥じること無く、改める事無く。

 あまつさえ死なば諸共とばかりに、わたくしどもへの攻撃へと向かう。

 流石にそれは、愚かしいと言わざるを得ませんわよ?」


 娘、いや、孫ほどの年頃と言っても良い少女から、淡々と諭すように。

 それはパシフィカ侯爵からすれば酷く屈辱的で。

 だからこそ、繋ぎ止めていた何かが、切れてしまった。


「……ああ、そうかもなぁ……愚かしい。そうかもなぁ。

 だがな、貴様にはわかるまいよ、ニコール・フォン・プランテッド。

 貴様のような巡り合わせを持たず、奪わずとも人も物も集まるようなこともない人間は、持って生まれた立場にしがみつくために手段など選んでいられないことなど!」


 血を吐くような叫び。

 あるいは、それを聞いて絆される者もいたかも知れない。

 だが、今その言葉を聞いたのはニコールただ一人であり。

 彼女は、そんな詭弁に眉一つ動かさなかった。


「そのようなお考えだから、人も物も寄りつかないだけではございませんこと?

 そもそも、侯爵家の生まれと言うだけでも恵まれてらっしゃるのに、それ以上を求めたからこその不正行為だなんだでは。

 足るを知らなかった閣下の、自業自得にしか思えませんわね」


 この国でも上位にある貴族の生まれ。

 当然権威もあり財力もあり、だからこそ私財をかなり没収されてもなお、これだけプランテッド家に対して工作をしかけるだけの金も出せた。

 それを守っているだけでも充分裕福な生活は送れただろうに、それ以上を望んだのは、彼自身だ。

 そして、そのためにあれこれと手を打って。

 結果として、最終的には彼の首を絞めることになった。

 であれば、誰が元凶かは、明らかだろう。


 だというのに侯爵は、あるいはだからこそか、受け入れることが出来ない。


「うるさい! それでも貴様のせいなのだ、貴様さえいなければ、全ては上手くいっていた!

 今でもわしは土木事業をこの手に握り、富を得ていた、そのはずだ!」


 目は血走り、最早彼に道理は通らぬのだろう。

 対話が決裂となれば、後は。

 ニコールは、少しばかり身構える。


「やはり貴様がいなければいいのだ、ニコール・フォン・プランテッド!!

 貴様さえいなければなぁ!」


 今にも食いつかんばかりの目で。上半身が前のめりとなった、余裕などかけらもない姿勢で。

 パシフィカ侯爵はニコールへと腕を突きつけた。


「やれ! やつを、ニコール・フォン・プランテッドを殺せぇ!!」


 ニコールが佇むバルコニーの、そのまた向こうへとパシフィカ侯爵は指示を飛ばし。


「あ~、ごめんね、呼んだ連中は全員おねんねしてるヨ?」


 返ってきたのは、そんな飄々とした男の声。

 ぎょっとしたパシフィカ侯爵の視線の先に現れたのは、夜闇に溶け込むような暗い色の服装を纏った、ワンとベルだった。


「な、なん、だと……?」


 呆然、としか言いようのないパシフィカ侯爵の声が、夜風に流されて、消えた。

 何かの間違いではないか。

 そうは思えども、いくら待てども、彼が命令を下したはずの刺客達は現れない。

 それどころか。


「いや~、ベルも腕を上げたね。ワンさんが8人おねんねさせる間に、4人も沈めてたヨ」

「そんな、私なんてまだまだで……ワンさんの動きも、相変わらずほとんど見えなかったですし」


 和やかな口調で交わされる、物騒な会話。

 その中にあった、合計12人という人数は、確かに彼が用意した刺客の数だった。

 理解して、ガクリ、パシフィカ侯爵は膝から崩れ落ちる。

 だが、これでもまだ終わらない。

 とどめをさされたはずの彼の耳に、信じられない言葉が飛び込んで来た。


「でも助かったわ。ワンさんとベルのおかげで、『何もなかった』ことにできそうだすし」


 それはもう満足そうにニコールが言えば、ワンはうんうんと同じく満足そうに頷き、ベルは一瞬目を瞠り、それから呆れたようなため息を吐く。

 

 そして。

 そして、パシフィカ侯爵は。

 ぽかんと口を開いたまま、絶句した。


 『何もなかった』


 確かに今、ニコールはそう言った。

 そもそも出席すら危ぶまれるような状況を作られ、あれやこれやと妨害工作をされ、社会的に抹殺しようとしたそれらを掻い潜った先で物理的に抹殺されかけたというのに。


「何を、言っているのだ……? 貴様は、私を破滅させようとしていたのではないのか……?

 これだけの証拠があれば、私にとどめを刺すことなど、容易いのだぞ!?」


 声を上げる侯爵には、わからない。全く以てわからない。

 

「『何もなかった』ことになどして、どうするというのだ!?」


 混乱と、困惑と、少しばかりの純粋な疑問と。

 それらが混じり合った声は、悲鳴のようでもあり、何かを渇望するようでもあり。

 返すニコールの言葉は、それに応えるようでもあり、全く答えるつもりがないかのようでもあった。


「どうするも何も、何もしませんわ? だってその必要も、そのつもりもございませんもの」


 あっさりと返されて。再びパシフィカ侯爵は言葉を失う。

 混乱する侯爵へと、更なる追い打ちが掛けられた。


「わたくしとしては、領民が平穏無事に過ごせればそれでよいのです。

 こうして『何もなかった』ことになったとなれば、むやみやたらと奪いたくもありません。

 何よりも、私財をかなり没収され、様々な制約も課せられたにも関わらず、これだけの工作を仕掛けられた閣下の人脈と政治力は並大抵のものではないのですから、お国のためにも失わせたくはないのです。

 こう言ってはなんですけれども……閣下が真面目にその力を振るわれれば、それはもう千人力、むしろ万人力ですから」


 侯爵は、耳を疑った。

 ニコールがかけたのは、まさかの、彼を評価する言葉だったのだから。


 そして、彼の脳裏に蘇る声。

 過日、国王ハジムからかけられた言葉。


 『真面目にやれ』


 あの言葉は、彼を咎め立てたものではなかったのか。

 真面目にやれと心から叱咤し、真面目にやればお前はやれる、という期待を現したものだったのだろうか。


 そう考えが至れば。

 知らず、彼の頬を涙が伝っていた。


「ですから、わたくしは『なかったこと』にしようと思います。

 パシフィカ侯爵閣下におかれましては、そのお力を真っ当な方向に使っていただくよう願うばかりですわ」


 ニコールが柔らかな笑顔とともにそう言えば、がくりとパシフィカ侯爵は身体の力を失い。

 がっと、なんとか両手を床に衝いて身体を支えた。


 視界が、揺らぐ。

 身体の震えのせいで。目元から滲む何かのせいで。


 そして。

 膨らんで抑えきれなくなり、弾けた何かに押されるまま、パシフィカ侯爵は雄叫びのような泣き声を響かせたのだった。




 こうして、エイミーの解雇を発端とするパシフィカ侯爵汚職事件は、終わりを迎えた。

 あの後ひとしきり泣き叫んだ侯爵は、憑きものが落ちたかのような顔でバルコニーを、そして晩餐会会場を去り。

 後日下された沙汰を、粛々と受け入れた。

 所領を没収の上、子爵へと降爵。以前別の子爵家が治めていたが、家が途絶えてしまったため王室預かりとなっていた土地への転封という、かなり屈辱的な沙汰だったというのに。


 粛々と準備を終えて出立したパシフィカ侯爵……いや、子爵は、どこかすっきりとした顔で小高い丘から新たなる領地を眺めていた。

 後はここから下るだけ。今日中には、与えられた仮住まいへと辿り着くことができるはず。

 そう思えば、安堵の溜息も零れて。

 

 それから、ゆっくりと背後を振り返った。


「なあ、本当に良いのか? 今からでも実家に戻っていいんだぞ?」


 問いかけた先に佇むのは、一人の老婦人。言うまでもなく、パシフィカ子爵の奥方である。

 かつて権勢を振るった大貴族の伴侶であった彼女は、取り乱してもおかしくない状況の中……笑っていた。


「何度目ですか、もう。今更この歳で戻ったところで、実家も良い迷惑。同じ針のむしろなら、あなたの隣の方がまだいくらか気楽ですよ」


 幾度か投げた問いに、幾度も返ってくる同じ答え。

 それを聞いて、パシフィカ子爵の目元が潤みそうになる。

 まずい、と思って視線を更に動かせば、少ないながらもついて来ている家臣達。


「お前達も、無理についてくることはなかったんだぞ?」


 若干だけ、声が震えていたのだが。

 聞いていた誰もが、それを聞かなかったことにした。

 

 問われ、一団を代表して一人の執事が一歩前に進み出る。


「我が一家が先祖代々仕えてきたのは、あの土地では無くパシフィカ家でございます。

 であれば、主の知れぬ土地に留まるよりも、こうしてご一緒する方が余程気楽というものですよ」


 彼が心から言っているのがわかって。

 パシフィカ子爵は、天を仰いだ。


 何故、気付かなかったのだろう。

 妻も家臣も、なんだかんだ、こうして寄り添ってくれている。寄り添ってくれていた。

 それに気付かず、欲望のままに暴走して、全てを失って。


 ……いや。


 まだだ。まだ、全てを失ったわけではない。

 こうして新たな領地をあてがわれ、妻も家臣もついてきてくれている。

 全てを失った、などと、彼女に、彼らに失礼だ。

 まだその手には、大事なものが残っていたのだから。


 見れば、青い空、白い雲。


 知らず、子爵の口が勝手に動く。


「……そのうち何とか、なるだろう、か」


 前途は多難なはずなのに、何故か臆することが無い。

 何とかなるはずだ。確証もないのに、そう思う。


「わかった、ありがとう。すまんが、わしについてきてくれ!」


 そう告げれば、返ってくる承諾の声。

 それを背中に受けながら、子爵は新たなる領地へと、力強い視線を向けたのだった。




……そんなパシフィカ侯爵の変化を、貴族達は信じることが出来なかったのだが……一人だけ、素直に受け止めている者がいた。


「パシフィカ子爵は大人しく新領地へ向かったそうです。随分と殊勝な様子だったとか」


 いつものように領都へと繰り出していたニコールの傍で、ふと思い出したようにベルが言う。

 ベルからすれば、主を陥れようとした許されざる相手なのだが。


「まあまあ、それは何よりねぇ」


 当の主がこれなのだから、口にも態度にも出せない。


「全く……いくらこうして何事もなかったと丸く収めるためとはいえ……ご自身を囮にするような真似は、金輪際おやめください」


 それでも、小言の一つ二つ、三つ四つも言いたくはなってしまう。


 あの時、晩餐会会場から離れた意味は二つ。

 ニコールが一人になったところで仕掛けてくるだろうから、という誘いの意味。

 

 そしてもう一つ。

 誰も居ないところでのやり取りであれば、それこそ誰にも見られないだろう、という狙い。


 ニコールは、彼女自身を囮としてその身を危険に曝しながら、それでもあの決着を求めたのだ。


「ん~……難しいわねぇ。ベルとワンさんがいたら、大体なんとかしてくれると思ってるし、実際あの時もそうだったから」

「……まあ、出来る限りは何とかいたしますが」


 あっさりと、最大限の信頼を見せられて。

 ベルは、ふいっとそっぽを向いた。


 実際の所、あの時集められていた12人の刺客は、本当に腕利きが集められていた。

 もちろん危険な状況ではあったのだが……それをワンと二人で返り討ちに出来てしまったのもまた事実。

 そして、ニコールのためならば、といつもより力が出たのもまた。

 

 複雑な表情になるベルへと、ニコールは笑って見せて。


「大丈夫よ、多分何とかならないことは、やらないから。なんとかなることしかやらないわ」


 そんな、どうにもあやふやなことを、確信を持って言ってくる。

 これがまた、本当にどうにかなっているのだから、ベルも何も言えないところ。

 精々、小さく溜息を吐くくらいだ。


 そして、きっとまた、なんとかしていってしまうのだろう、と思ってしまうのだから、質が悪い。

 などと考えている内に、目的地へと辿り着いた。


「あ、ニコールお嬢様! お疲れ様です!」


 新しい工事現場で、進行状況を確認していたエイミーが振り返り、ぱっと明るい笑顔を見せる。

 あの晩餐会で何か思うところがあったのか、彼女は以前にもまして精力的に働いていた。

 そして、ニコールに見せる笑顔も、少し変わったように思えて。

 ……少しばかり、ベルの胸がざわつくのは、気のせいではない、かも知れない。


 そんなベルの内心を知らず、ニコールは晴れやかな笑顔を見せる。


「あらあらエイミーさん、そして皆さんも! 今日もお仕事ご苦労様!」


 軽やかに響く労いの声。

 色々ありはしたけれども。

 こうしてまたニコールは、ベル達は、新たな日常へと戻っていったのだった。

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王国一の無責任令嬢 鰯づくし @iwashidukushi

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