第20話


恵里子と美紀は、宮島の最後の言葉を受け取った。


「こんなこと、書かなくたってお父さんの考えくらい判っていたわよ」


恵里子は涙を拭きながらも、笑って美紀に言った。


美紀は黙って涙を滲ませていた…。



遺品整理も終わり、恵里子は広島へ帰っていった。


宮島を跳ねたトラックの運転手は警察へ自首してきたと連絡があった。


日常に戻った、だだ変わったのは、宮島が公園から、いなくなった事…。


航太は今日も公園で遊んでいる…。


シュウとアキのふたりは、航太の親友。


3人で歓声を上げながら、公園を走り回る。


それでも3人は、ふとベンチに目をやる。


宮島のいないベンチを見る。


航太は、誰もいないベンチに、じいちゃんのまぼろしの姿を感じて、じいちゃんへ笑顔で手を振った。


つられてシュウとアキも手を振り笑った。


ベンチのじいちゃんは微笑んで、3人を見守っていた…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

公園 ぐり吉たま吉 @samnokaori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ