筋肉注射

藍染 迅@「🍚🥢飯屋」コミカライズ進行中

博士と助手の会話

「ヒロシ君! ついにやったよ!」

「どうしたんですか、博士? テトリスの長い棒の使い方をマスターしたんですか?」

 

「違う! ワシはついに発明したんだよ!」

「えっ、中島知子と松嶋尚美の顔写真で作ったオセロですか?」


「違うよ! 盤面が全部埋まった時、気持ち悪いだろう! そうではない。筋肉注射だ!」

「いや、昔からあるでしょ! ずしーんて痛い注射ですよね?」


「そっちじゃない! 筋肉注射するんじゃなくて、筋肉注射するのだ!」

「何すか、それ? まるで筋肉注射じゃないですか?」


「だから、そう言っているだろう! これは画期的な発明だよ」

「筋肉を注射すると、どうなるんですか?」


「ふっふっふ。見たまえ。こうなるんだ!」


 博士は、引き裂くように白衣を脱ぎ捨てた。


「ああっ! もったいない。白衣は高いんすから」

「そっちじゃなーい! ワシの体を見たまえ」


「ぬおっ! 博士が炎のマッチョマンに!」

「うははははは。これが筋肉注射の威力だ!」


「ぐぅっ! 白髪ハゲの爺マッチョは実写版オセロより気持ち悪いですね」

「うっせえわ! この発明の影響を考えて見たまえ!」


「老人ホームがマッチョで一杯になるんですか?」

「何で年寄り限定で考えるんだ? この商品はお子様からご老人まで幅広くお使いいただけるのだ!」


「えっ? アイドルグループもですか?」

「乃木坂だろうと欅坂だろうと、すべての坂は筋肉坂・・・になる!」


「えーっ! それは嫌ですよー!」

「どうしてじゃ? 美しい筋肉を誇示して見せてくれるかもしれんぞ?」


「アイドルが超絶マッチョになったら、握手会の度に手を骨折しちゃいますよ」

「ええい、うるさい! ならば、お前もマッチョにしてやる!」


「うぎゃーっ! か、体が硬くなってきた?」

「あ、間違えた。これは人間を蝋人形にする注射だった」


「てめぇーっ! 馬鹿博士! 脳みそも筋肉か!」

「その通り! 既に脳にも注射済みだ!」


「だっ、だめだこりゃ……」

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