害悪オタクで、強め美女アイドルプロデューサーで。
これだけ聞くと界隈から嫌われそうなヒロインなのに、なぜか読者は彼女を好きになり、いつのまにか《ヤスミン様》と読んでしまう。ヒロインっぽくないのに、絶対的な賢いヒロイン。
読み応え抜群なのに世界観はわかりやすく、しかし色濃い!!異様なほどの矛盾を孕んだこの不思議なヒロインに、ぜひ魅了されてほしい!!
個人的には莉緒ちゃんも好き。ヤスミン様と比較対象しやすいイッピ(一般ピーポーオタク)だけど、やることやるし出るとこ出てくる。ヤスミン様がなんとなく莉緒ちゃんを大切にしちゃう気持ち、すごくわかる。
人間と人間の関係というものを、肌感覚で熟知している作者様だからこそ書けるキャラクターであり、相関であり。あまりにもリアルで人間的でカッコよくて、イチオシ賢いヒロインです!!
アイドルとプロデューサーの関係を題材にした物語には作者様のアイドル愛があふれており、
アイドルたちへの理解だけでなく、推しを持つファン、アイドル界、そしてプロデューサーの視点からストーリーを楽しめました。
主人公のヤスミンが転生した異世界。
異世界という舞台を存分に生かしたアイドルたちの特性は本当にさまざまで、現実には見ることができないグループやメンバーたちにトキメキが止まりません。
まさに作者様がヤスミンを通してプロデュースしているようで、これでもかと推しをぶつけてきてくれます。
登場人物全員が主人公級なのです!
しかし私が一番心奪われたのはプロデューサーのヤスミンでした。
物語はキラキラトキメキだけではなく、その背後にある悲しみや辛い過去を土台に展開されます。
そんな中、ヤスミンには一見厳しく失敗を許さない容赦ない女性の印象を持つかもしれません。
それでも物語を読み進めれば、ヤスミンの内側に眠る思いを感じることができると思います。
その厳しさは自信が世界一のプロデューサーになるため。
それはアイドルたちのため、ファンのため。そのために賢く生きる女性なのだと惹きつけられました。
それぞれの登場人物たちの思いは小説を通して自然と読者の中に入ってくることでしょう。
まずは煌びやかなアイドルの世界へどっぷりとハマってみてください!
この作品を、一言で表しますと──
「〝害悪を以て、害悪を制す〟。私の好きな言葉です」
という感じです!!
……失礼しました。この作品のあまりにも素晴らしさに語彙力が行方不明になっておりました。
とにもかくにも、この作品は冒頭から展開がパワフルかつ、衝撃の連続です。
しかし、かつて〝害悪アイドルヲタク〟だった異世界のアイドルプロデューサー、ヤスミンのアイドルプロデュース力にはどんどんと惹かれてゆきます!
彼女は人並み外れたことを堂々とやってのけるところもありますが、私はそんな彼女からたまに感じる「人間臭さ」が非常に好きです。いつの間にか、どのアイドルよりもヤスミンを推していました……彼女には、とてつもない魅力とパワーがあります。
そして同時に、この作品の物語全体も非常に面白く、想像だにしなかった熱い展開やエモーショナルが盛りだくさん!!
とにもかくにも、まずは読んで欲しい。
たくさんの方にオススメしたい「推し作品」です!
また、最後に。これほどまでに素敵かつ素晴らしい作品と「推し」を生み出してくださった作者さまに。心より深く感謝申し上げます。
……推し活最高!!
いやーーーーーーーーーーこれはヤバイ。
とんでもない。とにかくフルスロットルで勝ちに来たな!? と思いました。
作者が今までどれだけこの業界に課金したか、界隈にどっぷりずっぷり浸かって観察してきたかが如実にわかる醜態成(誤字に非ず)。
アイドルオタクと呼ばれる人種(性別女性のほう)のエゲツなさ、口の悪さを情け容赦なく書き切って叩き切る。中の人間でなければこれは書けない。
界隈外のわたしなんぞからしたら捧腹絶倒ホラーである。
タイトルにある「害悪」とは、エゴと顕示欲と認知欲と純愛とをこれでもか! これでもか! と叩きつけ捏ね上げた結果生成され、推しのデビューと引退の輪廻転生に生かされたり死んだりしながら界隈を祭り上げるミラクルの主成分なのだと、ひじょーーーーによく分かる。
まず用語説明が無理なく丁寧ですっと入ってくる。
それから脳内映像化が余裕すぎる。
題材としてシェアをとる事が数値としてイメージできる強みがある。
何より、「賢い」とは何か、がきちんと昇華されている。これがとんでもない。
賢さに対する説得力が高すぎる。
こんなんトップを取るだろうし、メディア化もしやすかろうし、作者はこの結果の収入でまた推しに課金していくんだろうなと想像がつく。
あ、本作の感想ですか?
最後ちょっとエモくていいですよ。