おわりに
以上、本稿では、言語表現の基本的な道具を紹介してまいりました。こうした道具を意識的に活用することができれば、言語表現の幅、ひいては思考可能な世界がより広がることと思います。ただし、本稿は親しみやすさを重視したため、修辞技法(レトリック)の真価をほとんど発揮できていないと言っても過言ではありません。より有効な使い方を学びたい方は、以下四つの参考文献をご参照ください。
・カクヨム作品
『文章表現の幅を広げる「レトリック講座」』 板野かも著(URL: https://kakuyomu.jp/works/16816700428506664323)
拙作よりも説明・例ともに豊富で、より詳細に修辞技法の活用法が述べられています。紹介されている項目については、本稿よりはるかに詳しいので、ぜひご一読くださいませ。解説自体に多くの修辞技法が用いられており、著者の熱が伝わってきます。
・無料
『J-FIG 日本語レトリックコーパス』(URL: https://www.kotorica.net/j-fig/)
検索機能を持つ修辞技法のデータベースで、約2,400例が収録されております。本稿と異なり、分類体系もテキトーではないので、一度訪れてみてください。
『比喩表現の理論と分類』中村 明著,1977,懸立瞬語研究所.(URL: https://core.ac.uk/download/pdf/234725796.pdf)
古いですが、比喩について網羅的な解説がなされており、本稿における比喩法の分類に大きく影響したものになります。
・有料
『日本語のレトリック : 文章表現の技法』瀬戸賢一 著,2007,岩波書店.
洗練されたものが多いと評判の岩波ジュニア新書で、30項目のレトリックが紹介されております。巻末にはなんと早見表があるという親切設計。本稿の基礎となった著作ですので、もし本稿で修辞技法に興味を持たれた方がおられましたら、是非ともお勧めしたい一冊になります。
日本語表現の道具箱 〜26のレトリック〜 爆撃project @haisen
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