最終話 捕食
台所生活にも慣れ始めて3ヶ月が経とうとしていた。
この3ヶ月の間にも色々な事があった。
バルサンを焚かれたりゴキジェットを掛けられたりと色々と災難続きではあったが【毒物無効】のお蔭で今日までゴキブリライフを堪能できている。
定期的に支給されるホウ酸団子も悪くないのでありがたく頂いている。
だが、最近の家主も学習してきたのか薬物が効かないのであれば物理的に捕獲してしまえば良いのだと思ったのか虫取り網で捕らえて私を外に摘み出したがご丁寧に窓を閉め忘れてくれたおかげで再び侵入してあげた
そうそう、最近になって仲間内でも耐性持ちのゴキが増えてきて今ではそこそこ大きなコロニーを作ることに成功した。
だが、ある日を境に仲間が帰還しなくなったので原因究明のために仲間の匂いのする方向に向かい前足を突っ込むと足元がベタベタしていた
いわゆるゴキブリホイホイだ
張り付いた足が取れないので自切することにした。
まあ、跗節がもげただけなので其処まで痛手ではない流石に粘着シート用の耐性がないので近づかない様にしよう
取り敢えずそんな事を考えながら今日も今日とて飯でも探すことにした多分、5分ほど探し回り日の当たりやすい危険な場所でエサにありつけた今日のご飯は髪の毛のようだ髪の毛はあんまり味がないので進んで食いたくはないがこれも生きる為だ。
だが、視線を感じる
人間の忌み嫌う視線ではなく凍りつくような無機質な視線を感じる・・・・逃げるべきか
私は一息ついてその場から逃走した!
だが、直後地震の様な衝撃を感じた
そこで私は萎縮し復帰がワンテンポ遅れたことが運の尽き
私はひんやりとした感覚に全身を包み込まれクシャという外骨格が砕ける音を境に私は意識が消えた
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「あーあ、死んじゃいましたね〜」
「女神様ですか?」
「そうですね貴方をゴキブリに転生させた人ですよ」
「死んだんですか私」
「死にましたね・・・・アシダカグモに捕食されました。運が悪かったですねトカゲだったらワンチャンあったかもしれませんがゴキブリの数少ない天敵に目を着けられるとは本当に運がないですね」
「案外・・・・冷酷なんですね」
「まぁ、それが食物連鎖ですから」
「此処に来たのはもう一度転生できるんですか?」
「はい!次は人間もありますが最近は自殺者が増えてきて人外の枠も少なくてですね」
「はい」
「ミジンコ、アメーバ、人間、コウガイビル、ブルーギル、アオカビですどうしますか?」
「アメーバで」
「分かりました〜食物連鎖カースト底辺人生を楽しんでくださいね〜」
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私はアメーバに転生したので近くにある生き物でも・・・・
パクッ
この日、転生1日目で捕食された
ゴキブリ転生〜異世界転生してチートしようとしたけど転生して昆虫人気ランキングワースト1位になってしまった件〜 失敗した米麹 @SippaisitaKomekouzi
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