ゴキブリ転生〜異世界転生してチートしようとしたけど転生して昆虫人気ランキングワースト1位になってしまった件〜

失敗した米麹

第1話 ホウ酸団子

ゴキブリ

通称Gと呼ばれるそいつらはどっからともなく現れ逃げ足が早く仕留めるのは容易だとは言えない楕円のフォルムに黒光りした外骨格がチャームポイントな「1匹現れれば何十匹居ると思え」と言われる奴らだ。


ゴキジ○ットを吹きかけられても平然と生存出来る毒物への耐性、どんな劣悪な環境下でも生き抜き増殖する生命力、すばしっこい足、スリッパで叩かれても尚死なない身体の頑丈さをもつ昆虫界で一番厄介かつ嫌われ者のゴキブリに私は転生した。


「Gが出た!くたばりやがれゴキ○ェット」


某有名なG殺しスプレーに似た名前の薬品を掛けられるが私には何ともない【薬物無効】の能力があるから問題はないs


パァンッ


「殺ったか?」


カサカサ


「しぶといな死ね!死ね!」


スリッパで何度も叩かれるが【物理無効】があるので無意味だ。

良い加減叩かれるのもウザいので私は全速で食器棚の狭い隙間に逃げ込む。


「次見たら絶対にブチ殺す!」


折角の異世界転生こんなんで良いのだろうか?


          G


私は気付けば白い空間に居た何もかも白い空間にだ。


『聞こえますか』


『はい此方〇〇商事お客様コールセンターの黒縁です』


『これは末期ですね。私の声が聞こえますか?』


『聞こえますよ』


『突然で申し訳ないのですが貴方は死にました』


『はい』


『なので貴方はこれから転生いたします』


『テンプレですね』


『ですね・・・・貴方には二つの転生ルートがあります』


『それは一体なんでしょうか?』


『ゴキブリとオークの何方かへの転生です』


『他には?』


『無いです・・・・ですが、ゴキブリの場合は“何があっても寿命を迎えるまで死なない体”オークの場合は“とんでも怪力”を授けましょう』


『ゴキブリで』


『理由を聞いてもよろしいですか?』


『オークに転生すればどうせ冒険者に狩られて痛い思いして死ぬ気がするんで生命力の強いゴキブリに転生してひっそりと台所で美味い残飯漁って生きる方が社畜の頃より1000倍もマシです』


私の職場はブラックであり過労死したのでもう辛い思いはしたく無い

正直、どっちも嫌だがオークになる位ならゴキの方が幾分かマシだ。


『では、異世界ゴキブリライフを楽しんでくださいねぇ』


          G


目が覚めたら目の前に・・・・てっゴキブリはほとんど前が見えないので匂いで判断すると言った感じだが何となく見える

一応、鑑定魔法も使えるみたいだ。

ほとんど見えないのに

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クロゴキブ 学名:Periplaneta fuliginnosa

状態:汚染

死因:ホウ酸団子

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学名は求めてはいないのだが・・・・まあ、お腹も空いたし気が引けるけど成長の為に食べるしか無いのだ。

そう、此れは有事の事態なのだ。

ホウ酸は摂取するとヤバいが“何があっても死なない体”らしいのであまり考えない様にする

一番太い一番後ろの足の付け根を頂く事にした

昆虫を食べるのは抵抗があるが意外と美味かった

味としては安いエビの様な味と歯応えがあり外骨格のパリパリとした硬い食感がいいアクセントとなって私は意外と好きな味だ。


食い続けること・・・・何分経ったか分からない。

でも、人間じゃないし特に問題はない部屋の照明が暗くなったら寝ればいいし眠ければ寝れば良いのだ。


朝起きると玉ねぎの匂いがした。

しかもかなり近いときた・・・・確実に自作ホウ酸団子だ

一応、鑑定もしておこう

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玉ねぎ 学名:Allium ceap

Broic acid(ホウ酸) 化学式:H3Bo3 or B(OH)3

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化学の勉強になるが今のゴキブリ人生で必要なのか疑わしい知識だ。

だが、目の前にあるホウ酸団子は有り難く頂こう私には毒物は一切効かないのだから

毒と言うことは認識出来たが特に何ともないので問題なしだ 


*ホウ酸団子を摂取すると神経が麻痺を起こし脱水症状を起こし死亡する。

人間の場合は長期間にわたってホウ酸塩を大量摂取すると有害とされているが日常生活で毒性を発現するレベルのホウ酸に人間がさらされる可能性は極めて低いので安心して欲しい

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