蠅ｨ鬟溘＞陌ｫ、それから客と店主

本屋を営む最中、あることに気づいた。

コーヒー豆の減りがやけに早い。
重い腰に鞭打って、やっとのことで買い出しに出掛ける。

本だったら、もっと身体が軽いのに。

道端で人間に出会った。珍しく自分のことを怖がらない人間だ。

少し前まで主流だった『着物』とやらに身を包む、頭の大きな老人。

どうやら彼は、店に来たことがあるらしい。
あとコーヒーを飲んだことも。

いつの間に？

――これは、とある廃屋で本屋を営む「蠅ｨ鬟溘＞陌ｫ」の出会いの話。

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本作品はKAC2023（カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023）参加作品です。
第4回目のお題は「深夜の散歩で起きた出来事」！

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●第1回目
　テーマ：本屋
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