この物語は、はじまりも終わりも分からないという柔らかな混沌の中に、繊細に織り込まれた幻想と、少女の瑞々しい好奇心が同居しています。冒頭の哲学的で詩的な語りから、一転してお転婆で可愛らしいリビィの視点に切り替わる構成は見事で、「不思議なことは、気づく人にだけ開かれる」というテーマが、物語全体を優しく貫いています。丁寧に描かれ、まるで本当に一冊の古くて美しい絵本をめくっているような読後感をもたらしてくれました。
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