悪しきシンデレラに告ぐ

　レイラは継母とその娘たちに虐められている、可哀想な女の子（なお、自称）。
　ある日、レイラはお城で舞踏会が開かれるという噂を耳にします。

　王子様が伴侶を選ぶその舞踏会に参加できれば、もしかしたらワンチャンあるかもと思うレイラでしたが、着ていくドレスに持ち合わせがありません。いつものように姉のクローゼットからパクろうにも、その日は姉たちも舞踏会にやってきます。鉢合わせては大変です。

　そんな時、レイラの前に現れたのは、死んだ父の友人を名乗る、魔法使いの青年。
　彼がレイラに魔法をかけると、あら不思議、レイラは素敵な美人に様変わり。名前も改め、「シンデレラ」――これで誰にもバレません。

「零時を過ぎれば魔法は解けてしまうから、身バレが嫌なら早めに帰ってくるんだよ」

「分かったわ、お…続きを読む