綺麗な貴女と醜い私

ある日、私は馬車の中で美しく微笑わらう貴女をみつけた。

あまりの美しさに息を呑み、そして思わず前に飛び出してしまった。

その日、私は事故に遭い、馬車に乗っていた者は死んだと聞かされた。

けれど、私には傷ひとつなく、私の非はないものとされた。

私がこの国の後継者だったからだろう。

私は嘆き、そして悔やんだ。

その後、月日は流れ、私の婚約者が連れてこられた。

私は、あの日見た貴女に恋い焦がれていたから、婚約者など認めなかった。

貴女は死んだと聞かされた。

それでも、貴女を愛していた。

この世の全ては綺麗なものばかりだというのに、まるでこの世が地獄のようだった。


けれどある日、貴女をみつけた。

魔女だとうたわれる貴女を。

貴女は、生きていた。

魔女になってまで、私の前に現れてくれた。

貴女を逃さないように私が駆け寄ると、貴女は一瞬目をみはって、そして嬉しそうに私をみつめた。

あぁ、これは運命だ。

あぁ、貴女は運命の人だ。

この世の全ては綺麗なものばかりに溢れて、まるでこの世が天国のようだった。

貴女は女神で、私は貴女を求める亡者のよう。

あぁ、ならばどうかこの卑しい私に罰を。

あぁ、ならばどうかこの愚かな私に慈悲を。

どうか、貴女の愛を私だけに、私にだけ貴女の愛をください。


ねぇ、私の気持ちをわかってください。

ねぇ、私の想いに付き合ってください。

ねぇ、私の快楽を受け止めてください。


これは、恋で。

これは、愛で。

これは、ただの執着しゅうちゃくで。

これは、ただの劣情れつじょうで。


あぁ、貴女にぐちゃぐちゃに壊されたい。


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綺麗なあなたを壊したい うめもも さくら @716sakura87

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