受付嬢【リリカ】

 普通の家庭に生まれ、普通に育った普通の市民。

それが私です。女の子は嫁ぐことが仕事みたいな風潮だけれど活躍している女性はいてそういう人達に憧れていました。そして、社会人になり私は代行会社の受付嬢になったのです。何か得意なことがあるわけではないので代行業務は出来ませんけれどお客様を笑顔で迎えることは出来ます。

 今日もいつも通りの業務をこなしていく。内線電話で色々な部屋や人に電話を掛ける。カナタさん、社長、ビオラさん、受付嬢の先輩のフミエさん、その他の方々。皆さんの対応が個性豊かでとても好きな業務になっている。


 夜、仕事からカナタさんが戻ってくると今日も何か持って帰ってきた様子で社長に話をしに行き後日、ロビーに油絵が飾られた。ここの会社の方は皆さんとても面白い。


 別日の会社が開く10分前。毎日欠かさず行うビオラさんと社長のやり取りを盗み聞きするこの時間はとても好きな時間の1つになっています。

「ヴィン、今日行う私の仕事内容を報告いたします。本日は手紙の代筆が2件、遺品整理1件、依頼者の自宅にて行う予定です。」ビオラさんが手持ち鞄を持ち直しながら社長に伝える。

「うん、仕事件数も内容も合ってる。…ビオラ、今日の依頼者は男性だから惚れたり惚れさせたりしたら駄目だからね?」ビオラさんの袖を掴み真剣に話す。

「大丈夫です。ヴィンが心配するようなことはありません。なぜなら私はヴィンの妻ですので。では、行って参ります。」うっすらと笑みを浮かべ扉をくぐる。

「行ってらっしゃい。気を付けるんだよ?」軽く手を振り見送る。その後、カナタさんが確認する。

「ヴィンさん!今日は部屋の片付け2件とちっちゃい子の面倒が1件全部外。合ってる?」朝からそこそこの声量で話す。私も見習わなければいけませんね!

「うん、あってる。カナタ今日も気を付けて行ってくださいね?あと、収集癖も程々に。」

「はい、多分、大丈夫ですよ。行ってきます!」

「行ってらっしゃい。よし、リリカさん達も今日が良い日になることを心がけましょうね。」

「はい!」

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代行人 花園眠莉 @0726

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