きらきら

まれ

きらきら

 わたしのなかにうずまくこのくろいかんじょう。

 ひび、おのおのすとれすをかんじている。

 わたしにはそれがたえれれない。




 きっかけは些細なこと。相手が原因だったり自分だったり、そうして苛立ち始める。

 それが数日・数週間経つと感情がわからなくなる。嬉しいのか悲しいのか楽しいのかわからない。

 感情がぐちゃぐちゃ。


 その次、数か月経つと心が限界になってるんだと思う。

 ちょうど、こんなイメージ。



 台風やら豪雨の影響で水位が上がってきて、大きな川が決壊する。決壊すると濁った水が溢れてきて、もうどこが川でどこまでが道路かわからなくなる。そんな感じ。



 心がぐちゃぐちゃ。

 順調に壊れていく。

 心が壊れると次は思考が壊れる。

 今まで正しいと思ってたことが思えなくなったり、バカらしいと思うようになったり、今まで間違ってると思ってた考えに賛成できたり。

 どこが自分が歩いてきた道なのかこれから先が進んでいい道なのかわからなくなる。

 思考がぐちゃぐちゃ。



 思考がおかしくなっている状態だから、今まで自分のしなかったことをし始める。

 例えば、犯罪。

 犯罪は周りがそう判断するからそうなっているだけで自分では何が問題だったのかわからない。



 殺人をしてみる。何も感じない。

 身体がぐちゃぐちゃ。

 あれ?この人、私の好きな人だ。

 じゃあ、これが愛だ。

 だって、彼はこんなに輝いてる。

 きらきらしている。こんなにきらきらしていて美しくてきれいなものは見たことがない。心が癒される。心が浄化されていく。

 もう、彼は人間には見えないけど。きっと喜んでいる。

 だって、それが私の愛だから。



 浄化され、感情が戻る。ただ、一部を除いて。

 心はぐちゃぐちゃに思考もぐちゃぐちゃになったまま感情が戻る。

 もう人の原型をとどめていないそれを見て、私は寂しそうと感じた。

 私は持っていた刃渡り10cmのペティナイフで自分の腹を刺した。

 温かい液体が滲み出るが痛覚は不思議とない。むしろ気持ちいい。

 身体もぐちゃぐちゃ。

 心はきらきら。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きらきら まれ @mare9887

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説

深夜の邂逅

★0 ラブコメ 完結済 1話

深夜の邂逅

★0 ラブコメ 完結済 1話