彼女は聖女です……、うん。

聖女という枕詞は僕らをいやがおうにも、その物語に誘う吸引力を持っています。

それはダイソンなんて目じゃない。衣替えで女子の制服が夏服に切り替わった時みたいにハッとして、甘酸っぱく僕らを夏に誘うみたいに、とても素敵な枕詞だと思います。

「ごほうび」って言葉はツンデレヒロインの常套句でもあるけど、この物語は決してそういう話ではない事を先に述べておきます。

神に仕える存在は、とても神々しくて、美しくて、敬われて、そして力のある存在です。この物語の聖女もそんな一人であり、繊細な描写で丁寧にお話は進みます。

ここで僕は思いました。とても失礼で恐縮な事を書きます。これはこれで悪くないけど、「うん、知ってる」って僕は感じました。

でも、読み進めると気が付かされるのです。


「あっ、やられた!」って。



僕の浅はかな読解能力を、軽々と、鮮やかに、そして見事に裏切って、聖女様がたおやかに笑っておいでです。

もう、困ったな、可愛いじゃないか!

またひとつ素敵な物語を見つけてしまいました。

是非、皆様にも「やられて」欲しい僕は、このレビューを一人でも多くの皆様がお読み頂く事を願って書いてます。

宜しくお願い致します。


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