死力を尽くしたり生命にかかわったりする幽霊ギャグも見逃せない。

成績優秀な見習い魔女・リリーメイが「幸せ」に気づくには、人からの「おせっかい」が必要だったのでしょう。
図書館で知り合った三人と言葉を交わし、新しい価値観に驚き心を揺らすことで、これまで気づいていなかった「自分の大切なもの」「自分の幸せ」を、自分のなかで整理していき、ちょっとお節介なマジックアイテムを「幸せの魔法」として作り上げました。
これがとても素敵なマジックアイテムなので、クラウドファンディングとかして科学で再現されたらいいのにな……販売されたらいいのにな……と個人的には思っております。
ところで、夕焼け堂のジュリオさんの最初の登場シーンでは「え? この人は嫌な人なの? フィーリアさんに酷いことをした過去がにおわされている? にしてはアスタさんの始末の付け方が喧嘩両成敗だけど……???」と戸惑ってしまいましたが、エピローグでの登場と二人のやり取りですっきり納得できました。
「花壇が自慢の公園の向かいに立地する歴史ある魔法図書館」という現場やその設定が魅力的で、機会があればいつか、別の利用者さんのお話や、異国の古書とアスタさんの正体に迫るようなお話も読めたら嬉しいです。