第2話

あの人との出会いは1ヶ月前のことだった。出会いはS N Sだった。私はS N Sのアカウントに自分の顔を載せている。まぁもちろん美香のように可愛くもないので加工写真を載せている。初めのうちは少しずついいねが来て、次第にコメントがくるようになった。

『可愛いね!』『僕、こんな彼女が欲しいな』など書かれていた。私はいいねや、コメントがくるたび満たされていくような感情があった。承認欲求というものだろう。こんな不細工な私でも見てくれる人がいる。可愛いと言ってくれる人がいる。満たされていく、私が求めていたものが。そしてあの人からメッセージが来た。それは私が日々の溜まっていたものをS N S

に投稿した事がきっかけだった。『誰も私のことを見てくれない、誰も私のことを愛してくれない。苦しい。助けて』と投稿した。するとこんなコメントがついた。

『僕ならそんな思いさせないのに』

最初は少し気持ち悪いと思った。何を言っているのだろうと。でもそんなこと他人に言われた事がない。本当にこの感情をなくしてくれるのだろうか。本当に・・・。気持ち悪さは興味へと変わっていった。S N Sでどんなに満たされていても足りないと感じていた。いや足りなくなった。もっともっと可愛いっていわれたい。もっと私を褒めて、求めてほしいと。この感情を満たしてくれるのならば誰でもよかった。そして私は彼に一通のメッセージを送った。

『本当ですか?』

と。そしてすぐに返事が来た。『そうだよ。僕なら君しか見ないし、君しか愛さない。寂しい時は必ずそばにいるよ』と。この人はどれだけ私が欲しいと思っていた言葉をくれるのだろうか。あぁこの人なら信用していいのかもしれない。私はすぐに連絡先を交換し毎日のようにメッセージを送った。彼はエスパーなのかというくらい私が何かで悩んでいたら、すぐに気づき『大丈夫?無理してない?』とメッセージを送ってくれた。文面越しでもそんな気遣いが嬉しくて、彼にならなんでも話していい気がして沢山相談に乗ってもらった。わたしも彼のことを知りたくなって沢山質問した。彼は社会人で、東京に住んでて一人暮らしでそして料理がうまくて・・・彼のことを沢山知った、教えてくれた。そんな些細なことでも嬉しくて私は画面越しの彼に恋をした。

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依存 @sora0927

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