スキルの謎(後編)
スキルと呼ばれているのは、生まれながらの才能、そのなかでも特に魔法に関するもの。広い意味では剣の才能みたいなものに使われることもあるけど、ここでは魔法関連に限定する。
単純なというか仕組みが想像できるスキルもある。たとえば方向が分かるスキルや、時間がわかるスキルだ。
方向は磁石で磁化させた針金を使うことでもわかるし、スキルも似たような原理なのだろう。ただ鉄に囲まれた場所でも方向が分かるスキルは使えるので、磁石の力とは異なる仕組みだろうとも想像できる。時間についても、太陽の位置や振り子の動きとは異なる仕組みだろうけど、何らかの似たような時間がわかる仕組みがあったとしても不思議ではない。
習ってもいない言葉や知識を知っているというスキルは、転生かそれに類するものだろう。過去の記憶や人格すべてではなく、一部であっても受け継いでいれば、それが生まれながらに持っている知識スキルになるわけだ。不思議なのは、まるで未来に起こることを知ってるかのような予知スキルだが、これも未来からの転生者だとすれば説明はできる。
転生自体が不思議だとはいえるが、これは自分自身でも体験してることだし、実際にそうなのだから疑っても仕方ない。
治療スキル、これも何もしないでも傷が治る身体の仕組みの類似もしくは促進と考えれば、まああり得ないとも言い切れない。発熱や腹痛も、しばらく休んでいれば回復する。治療スキルは、回復を早めるか強化することで、病気を治していると考えられる。治療スキルを持つ人は、はやり病にもかかりにくい傾向があるが、これは初期の感染を治しているからだろうか。
これは仮説の段階なのだが、身体の機能のようなものと同様なものが魔力であった場合にスキルになるのではないか。
目という器官があることで見ることができる。これは考えてみれば不思議なことで、光というのは目に見える範囲の電磁波なので、もう少しずれた赤外線を感知する器官だったら見るだけでなく温度を感知できたりしたかもしれない。それともX線で内部まで見えるとか。
目の無い生き物の中に、目がある個体が発生した場合に、視力というものを知らないのだから周囲を感知できる何か不思議なスキルがあるというように理解されたりするのではないか。魔法についても、基本魔法やそのもとになる魔力だけではなく、たとえば目のような複雑な何か魔力器官とでもいうようなものを備えている人がいて、他の人には出来ないことができる。それがスキルと呼ばれている力なのではないか。
設定フィクション ノソン @NOSON
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