世界の一瞬のきらめきを切り抜いて作られる、たったひとつのぬいぐるみ。

ぬいぐるみを作る職人さんとその弟子の物語。
子どもに読み聞かせをする絵本のような優しい文体で書かれた作品です。

この物語の一番の魅力は、ぬいぐるみの素材。
普通の布や綿ではなく、この世界に存在するさまざまな美しいものを集めて作ります。素材の描写も美しいのですが、そこから作られる完成品にも説得力があり、とても印象的でした。

ある日、主人公のリコは難しい依頼に挑戦することに。
彼女が最後に用意した素材はとてもすばらしいもので、彼女の初仕事が成功するだろうなという予感がありました。

世の中に数多くのぬいぐるみが存在するように、「ぬいぐるみを作る話」というのもまた数多く存在するのかもしれません。しかしこの物語は、作中に描かれる一点もののぬいぐるみのように、きっとどの作品とも違う「ここにしかない作品」だと感じました。

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