お客さまの望むぬいぐるみを、一つ一つ丁寧に作っていく過程がとても素敵です。材料の厳選から始まるぬいぐるみ職人の、心を込めたぬいぐるみたち。見習いリコも職人の思い、技をしっかりと受け継いで行きます。美しすぎる描写の素材たち。作者の綴る繊細な言の葉が、メルヘンの世界へ誘ってくれます。
物作りの過程をメルヘン風に盛り上げていく構成がとても楽しく、主人公のひたむきな真剣さがまっすぐに伝わってきた。私もこの職人に発注したいものだ。 必読本作。
ぬいぐるみ職人、見習い中のリコ。必要な素材は、心に響く知性の煌めき。人を想う気持ちと、一生懸命なリコの姿。世界中の子供たちに読み聞かせしたい。
“煙突から出るお菓子を焼いている甘い煙”……ワタにはふかふかの雲を詰め込んで、そんな素材でできたぬいぐるみがあったらなんてステキなのでしょう!ぬいぐるみ職人見習いのリコさんは初めてお仕事を引き受けるのですが、訪ねてきたお客様さんの希望はちょっぴり曖昧で――一体どんな素材を集めて何のぬいぐるみを作るのでしょう。ふわりふわりと心が空にたゆたうような、とっても素敵なお話です!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(361文字)
とてもやさしい語り口は疲れた心を癒す力がありますが、一切のトゲのない柔らかな文章が紡ぐこの物語の風景も、あたたかく、爽やかで、美しく、なめらかで。 ひとつひとつのぬいぐるみの材料がメルヘンだから、それぞれを本当に集めたくなるほど素敵。「ああ、きっとあの雲はふわふわのぬいぐるみを作るのにふさわしい」とか、「夜明けの朝露は素敵な動物の瞳になるかもしれない」と、これから見る風景も素敵に変えてくれそう。 心が癒されること受けあい。見習い職人さんと一緒に、夢のようなぬいぐるみ作りを堪能しましょう!