お題の縛りも興味深いけど、設定も面白い。続きが気になる。
- ★★★ Excellent!!!
文芸部員のクールビューティな先輩に一目惚れした一年生の男子が、先輩とお近づきになるために文芸部に入部。ところがその男子、じつはまったく文芸に興味がない。
このままでは文芸部は廃部になってしまう。少しでも文芸に興味を持ってもらおうと、先輩はひとつの案を考える。それは彼に「お題」を出し、それに沿った作品を書いてもらおうというものだった。
――という内容の作品です。
設定も充分に面白いのですが、もっとも興味をそそるのは、この作品が「お題」に沿って書かれたものだということ。
作者様が実際に「お題」を募集しているわけですが、作者様に対する「お題」がそのまま作中の登場人物への「お題」にも繋がっているところが面白いです。
もうひとつ興味深いのが、「お題」の内容。
普通はお題というと「○○というテーマで書いて」といったものが多いと思いますが、こちらの作品では「○○を使わずに書いて」というお題が使われています。
たとえば「外来語」や「小学校で習った漢字」など。これらを使わずに書くといったいどんな作品になるのか。気になった方はぜひ覗いてみてくださいね。
かくいう私も、作者様がTwitterで「#自分が創作で禁止されたら死亡しそうなものをふぉろわさんから教えて貰ってそれを禁止して小話作る」というタグでお題を募集なさっていたので、ひとつお題を提案させていただきました。
それは第5話の「作中の時間を飛ばす」というもの。
小説には「そして翌日」とか「それから五分後」とかそういった表現が多く見られます。便利な表現ですが、もしそれを禁止したらどうなるか。
とてもわくわくしながら読みに行きました。
すると、作中に「今から三十分で文章を書いて私に見せること」という言葉が出てきました。これには驚きました。
普段なら「そして三十分後」などと大雑把に時間を飛ばすこともできますが、お題で「時間を飛ばす」ことを禁止しているわけですから、それができません。「五分後」とか「二十分後」とかの表現もNGになってしまいます。
お題に対する理解度が深いし、さらなる縛りを入れてくるとは感服です。
では、具体的にどんな作品になったのかというと……
気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね!
第5話
https://kakuyomu.jp/works/16818093082549722501/episodes/16818093083073681136
結論:「時間を飛ばす」を禁止しても作者様の筆力がすごかった。