KAC20237/お題:いいわけ ドルイドと元凶
「クソ!手柄が欲しいというからあの卵の情報を流してやったのに、それを生かせずに見逃し、あまつさえ虎の子の
ダンッと神経質そうな細面の英国MD師団の軍服を着た男が机を叩いた。
「元々から素行不良で問題児だった。これからも問題を起こしそうな奴が死んだだけましか・・・後は明日等にある査問をどう躱すかだけだ・・・今まで作った貸しやコネを使えばいくらでも・・・」
先日起きたドリネット村での惨劇についての元凶がここにいるようだった。
私は英国MD師団部隊室内に置いてある観葉植物の影から出る。
「お前が元凶か・・・」
「んぁ!?キ、キサマは!?森の原人が何故!?」
「こちらの師団長に話しをしにきたら、聞きづてならない声が聞こえてきたものですからね」
突然現れた私を見て軍服を着た男はかなり動揺をしていた。その様子を私は目の前にいる男を冷めた眼で見ていた。
「本来、樹虫の発見等の報告が有ったなら中央司令部に報告しなければならない所、他所から入ってきた報告を自分の身内に流して、再度発見報告させる事で自分たちの手柄としていたようですね?」
「し、し、知らん!?そもそもキサマ何処から入ってきた!?不法侵入だ!とっとっと出ていけ」
「わかりました。ただ明日の査問、どう言い訳するのか考えておきなさい」
「キサマには関係などない!?出ていけ!」
私は男の剣幕受けて、部屋の扉へ向かう。扉に人差し指で一つ丸を描き、その下に十字を描いた。それから扉を開けて外へ出た。
「明日、貴方がマヨヒガ遭わず、査問官に言い訳出来れば良いですがね・・・」
扉が閉まる前に男を横目に見ながら、一言呟いて扉は閉まった。
「な、何が迷いがあわずだ!査問官に言い訳だ!?関係あるか!?それよりも根回ししなければ!?」
男は部屋から飛び出し、自分が作った貸しやコネを持つ相手に会いに行こうとした。
出た廊下は何時もよりも薄暗く、人気も感じられなかったが、普段とは違う様子に男は焦りと怒りの為、気が付くことが出来なかった。
その後、男の姿は英国軍査問官達が探したがついぞ見つかる事はなかった。しかし、数か月後、元その男の部屋の扉の前で見つかった。
正し、見つかった時の姿は凄惨だった。余程、腹が減っていたのか両手の指を食い千切らんばかりに口で噛み締め、皮膚と皮だけの死骸となっていた。
KAC2023 竜眼魔術師団《Longan Magic Division》小話 阿々藍烏 青辰@ロボ×魔術小説執筆中 @AAIUEO
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