黒衣を纏う令嬢は 罪も世界も塗りかえる

人の命は 儚くて
忠誠故に 惑なし
華の命も 短くて
女の性に 力なし

引き下がっては 失われ
薔薇の色すら 燻み逝く
ならばこの手で 塗りかえん
私の心は 染まらない!


失われた名誉と栄光……そして思い出を取り戻すため、
そのドス黒い世界に真っ向から立ち向かう、主人公ヴィクトリア。

機を見るに敏で、頭のキレる彼女は、
ギリギリのラインを維持したまま、交渉のテーブルを成立させる、まさに才女と感じました。

後半に進むにつれ、音を立てながら近づいてくるカタルシスの波に、読了後の満足感が約束されます。

ラストシーンの凛とした姿を、是非ともご覧いただきたいです!

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