概要
ここにはなぜか、一種曰くの逸品が自然と寄り集まってくる。
東京都台東区蔵前——
商業施設や町工場がひしめく大通りから一本裏の筋を入ったところ、
昔ながらの寺社仏閣が鎮座する一角に、
時代から取り残されたような佇まいの古書店が、
今日もひっそり挟まっている。
みぞれ雨の降りしきるなか訪れた、本日のお客様は——
商業施設や町工場がひしめく大通りから一本裏の筋を入ったところ、
昔ながらの寺社仏閣が鎮座する一角に、
時代から取り残されたような佇まいの古書店が、
今日もひっそり挟まっている。
みぞれ雨の降りしきるなか訪れた、本日のお客様は——
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!そこは瀕した書物が安息を求めて訪れる不思議な古書店
『雨の情景から始まる魂の4000字企画』 BEST 5
冷たい雨が降りしきる裏町にひっそりと佇む夢幻常磐堂書房。
古めかしい店内の趣きに、濡れそぼった客が取り出した古ぼけた覚書。
そして切迫感を漂わせる客とそれに対峙するすっきりと清潔な風貌の青年店主。
冒頭からそれらの情景が巧みな筆致により過不足なく描写され、また小気味の良い流れるような語り口調も相まって読み手は一気にその世界観に惹き込まれる。
書物が所有者の逝去により心ならずも流転の憂いに晒されてしまった逸品であると知れ、その後の店主の計らいに然もありなんと喝采を送りたくなった。
そしてラストでは銘が打つように古書の…続きを読む