概要
ある日ふらりと現れる、移動式本屋。売っているのは「あなたのための」本。
古ぼけたトラックの扉を開けると、両面にぎっしりと並ぶ本、本、本……
階段を登って足を踏み入れれば、紙やインク、文字と意味、祈りや願いの匂いに包まれる。試しに一冊の本を手に取るけれど、車内は薄暗くて文字は読み取れそうにない。
「さぁ、今日も行きますか」
「どうせ客なんて来ねーだろ」
「それがね、今日はいいお客さんが来る予感がするんです」
「マジかよ、てんちょ。よっしゃ、行こうぜ」
「てんちょ、じゃなくて店長。でも、店主と呼んでほしいな」
「どう違うんだよ」
「意味は一緒ですが、響きが違う」
「やかましいわキザ眼鏡」
「ひどい言われよう……」
見えないふりを続けた傷、胸の奥にしまった想い、どこかに置き忘れた希望。
そんなものに気づかぬまま、心をすり減らしていく日々。
心の赴くまま
階段を登って足を踏み入れれば、紙やインク、文字と意味、祈りや願いの匂いに包まれる。試しに一冊の本を手に取るけれど、車内は薄暗くて文字は読み取れそうにない。
「さぁ、今日も行きますか」
「どうせ客なんて来ねーだろ」
「それがね、今日はいいお客さんが来る予感がするんです」
「マジかよ、てんちょ。よっしゃ、行こうぜ」
「てんちょ、じゃなくて店長。でも、店主と呼んでほしいな」
「どう違うんだよ」
「意味は一緒ですが、響きが違う」
「やかましいわキザ眼鏡」
「ひどい言われよう……」
見えないふりを続けた傷、胸の奥にしまった想い、どこかに置き忘れた希望。
そんなものに気づかぬまま、心をすり減らしていく日々。
心の赴くまま
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