少女の思い付きが幸せを呼び込む

行動力過激派の月歌の思い付きとも思える行動に、想像以上の「想い」がひそんでいて、その「想い」が薫に伝わると不協和音を奏でていた歯車がピタリと噛み合い、ラストの大団円に向かって物語が滑らかに運ばれています。

なりたい自分がわからないとう一定の年頃にありがちな足掻く行為かと思いきや、良い意味で、本当に良い意味で想像を裏切られ、物語にどんどん引き込まれてしまいました。

物語の展開、登場人物の光と影、そして関係性など、緻密な計算で構成された青春ドラマでした。