騒がしくて、にぎやかで、だけど妙に心が温かくなる旅がある。
小さな田舎町マルゲリータに降り立った鳥のポカと、無鉄砲な旅人ラリオン。
二人が辿る道は、どこまでもドタバタで、どこまでも優しい。
無銭飲食を防ぐために西洋甲冑を着て警備員に。
インチキ教会で出会った不思議な少年たちと対峙し、逃げるようにして新たな仲間・子豚のフコを得る。
降り止まぬ巻貝の雨に見舞われながら、ポンチョを求めて命懸けの買い物へ。
そして訪れる、タワーマンション化した無料食堂と、魔物「チニージョウ」との戦い。
どんな困難も、ふざけて、笑って、突き進む。
だが、賑やかな日々の裏には、互いを想う小さな気遣いが確かに存在する。
無茶ばかりするラリオンの背中を、しっかりと支え続けるポカ。
見た目には頼りない小鳥と、どこか抜けた旅人のコンビだが、どんな危機も、どんな無茶も、ふたりならきっと乗り越えられる。
それはまるで、世界に対して少しだけ不器用な者たちが、寄り添いながら進む物語のようだ。
今日もまた、くだらないことで笑い、時に本気で走り、些細な奇跡を積み重ねる。
小さな手と、少し大きな手が交わるこの旅は、きっとまだまだ続いていく。
心を少しだけ軽くしてくれる、騒がしくて、優しい冒険譚。
序盤からテンションマックスで、元気な会話が繰り広げられて、読みながらにんまりとしてきます。
主人公のラリオン、ポカ、フコ、それぞれの個性が飛び跳ねて、読者の皆さんの心をわしづかみにしてしまうことでしょう。
私は個人的にフコの反応が好きなのですが、これからどんどん読み進めてゆくにつれ、もっと楽しい仲間が増えてゆくのでしょう。はい、まだ全部読み終えていないのです。。。
これは、皆さんに読んでいただきたい、心のビタミン剤のような作品です。
(一度書かせていただいたレビューが内容不十分だったため、書き直させていただきました、作者様、ごめんなさい)