眠い無題眠い
白川津 中々
■
しばらくの間早朝出勤と残業が確定した。
職場の人間が一人死んだからだ。
死因は発作らしいが詳しくは知らない。自殺じゃない事だけが救いだなと手を合わせ、仕事を引き継ぐ。
故人はそれ程業務を担当していたわけじゃないからなんとでもなるが、処理をするのは面倒だ。最近はやる気なく能率も落ちているから、余計に時間がかかる。
面倒ばかりが増えていく。人の死が一瞬で過ぎ去る程に時が早い。しがらみが積み重なり、どんどんと歳をとっていく。なんのために生きているのだ。
もし死んだのが俺だったら。
思わずにはいられない。そうすれば楽になれた。一瞬で過ぎゆく死に憧れる。深い闇の中で鮮烈に光る希望。俺の生は死に救われる。しかし、まだ、俺は生きている。絶望のまま。
死にたい。
口に出すのも恥ずかしい言葉だが、願わずにはいられない。全ての苦しみは、死によって完結する。
眠い無題眠い 白川津 中々 @taka1212384
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