ファンタジーの息遣いが聞こえる物語

葬官を執り行う少女サイハテが、国や文化も違う人々の最期を見送る物語です。誰だって最期はお疲れさまと言われていいという信念を持って当然のように仕事をこなすサイハテはとても格好いい。それと同時にくすっと笑えるような趣味や軽快な話ぶりが魅力的で、固いテーマであるのにするすると読めます。

サイハテが行う葬儀は国や人によって決まりが異なっており、ファンタジーの文化がしっかりと物語に織り込まれていて、読んでいるうちに、この世界に入ったかのような不思議な感覚が味わえました。

また、物語が進んでいくうちにサイハテが為していった一つ一つが彼女自身に返ってくるシーンは美しく、今まで主人公と一緒に進んできたいままでの道のりを自然と思い出してしまいました。

とても面白い作品です!

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