ぐちゃぐちゃにしてください KAC20233

ぐちゃぐちゃのケチョンケチョン

ぶるん

ぐちゃぐちゃ

私はスライム。

毎日お客さんの嫌いな人の形になって、首を締められたり殴られたりしてる。

「ハアッ、せいせいした」

１分１万円。

１分の間に凄い形相のお客さんに

「ちくしょー」とか言われながら攻撃を受ける。

お店に来る時はとても感じがよくて怒ったりするようには見えないお客さんが多い。

お客さんは嫌いな人の写真を持ってきたり、似顔絵を描いてくれる。その顔そっくりに私が変身する。

お客さんの攻撃を受ける時、はじめは少し弾力のある固めにしておく。

そして段々柔らかくなって、また攻撃を受け最後はバラバラになりぐちゃぐちゃになる。

ぐちゃぐちゃになった私を踏みつけるお客さんもいる。

包丁を持参して何度も刺すお客さんもいる。

すんごい顔をしてる。

目は三角につり上がり赤鬼みたいに真っ赤になってる。

抱きついてくるお客さんもいた。

これは困った。

たまたまいい匂いのするお客さんだったからよかったが、くさいお客さんが来たら大変だ。

１分間においに耐えながら抱きしめられないといけない。

そのことを店長に言ったら、次の日から店長が見張ってくれることになった。

そしてお店には張り紙ができた。

「抱きしめ禁止」

店長に見守られながら私はお客さんにひっぱたかれた。

パーンパーン

トントントントン

ぐちゃぐちゃ

ひっぱたかれた後、包丁でみじん切りにされた。

ブスッブスッ

ぐちゃぐちゃ

ダーツの的にしてくるお客さんもいた。

「アーッ、せいせいした」

お客さんを見送った後、店長はぐちゃぐちゃになった私をかき集めてまるめた。

「皆イライラしてるね」

「店長も私に八つ当たりしていいんですよ」

「特に恨みとかないからなあ」

「そうですか、残念です」

「残念？」

「はい。私、店長にぐちゃぐちゃにされたいです」

「どういう意味かな」

「言ってみたかっただけです。アッ、店長」

ぐちゃぐちゃ

ぐちゃぐちゃ

私は店長にぐちゃぐちゃにされた。