お勧めの作品です

  • ★★★ Excellent!!!

鈴村しきは、潮汐れいに恋をした。
ノートに何かを書く彼女の一挙一動に心を奪われた彼は、桜舞う屋上で彼女に想いを打ち明けた。
玉砕覚悟の告白は以外なことに功を奏した。
しかし、特別進展しないまま、夜空に綺麗な花が咲く季節になっていた。
どのように彼女との仲を深めるか悩んでいた彼だったが、その機会は彼女によってもたらされた。
彼は、アソビに誘われた。
だがそんな心躍る彼に向かって、不穏の影は少しづつ、そして着実に忍び寄っていた。

「ゲームをしよう!」彼女はそう言った。
その”ゲーム”とやらの本質は、その言葉では覆い隠せないほどの残忍なもの、殺し合いであった。
それは異様と、形容せざるを得ないだろう。
何故、13名の参加者は逃げ出さないのか。
何故、彼らは参加し続けるのだろうか。
何故、一介の高校生でしかない彼女は、デスゲームを主催したのだろうか。
何を抱こうが、ゲームは否が応でも進行していく。
それに呼応して、参加者ひとりひとりが内包する”狂い”が、徐々に徐々に露わになっていく。
そして物語の全貌が、参加者の記憶の点と点が結びついていくことで浮かび上がってくる。

貴方の“何故”が、彼らの”狂気”によって答えられる、様々なジャンルが見事に絡み合ったこの「彼女のデスゲーム」。
一度読んでみては如何でしょうか。

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