人気者には秘密があるって

Sonata

第1話 闇

今日もいつも通り,何も変わらない。

自分でご飯を用意してそれを食べて。


「…行ってきます」


返事の返ってこない家に向かって挨拶をする。

ドアを開ければ飛び込んでくる水色の空。

こんなに明るい色,私にこの景色は似合わないな。

もったいない。


無線イヤホンを両耳につけて音楽を流す。

昔,お姉ちゃんに教えてもらった曲。

今の私はこの曲によって生かされている。


助けてほしい。救ってほしい。

こんな音楽の力でしか生きていけない私はもう嫌だ。

私は『涼村杏樹』。『涼村碧波』じゃない。


…あれ,私何考えてるんだろう。

どうして,嫌だって思ったんだろう。

…あ、曲、終わってたな。今日も空が明るくて綺麗…。


学校に着くと、もう沢山の人が来ていて。

みんなのきらきらした笑顔で心が温かくなる。


「おはよう」


クラスの人の大半は私に机の周りに集まる。

どうしてかはわからないけど…。

皆が楽しんでくれるなら、それでいいかな。







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人気者には秘密があるって Sonata @Nocturne92

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