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 すっかり日も暮れて…


「土岐雄くん、遅いです〜」


 そう…アパートの部屋、夕食の用意を整え史都が待っているにも、彼は一向に帰宅せず。


 おまけに、まったく連絡も取れぬ上、会社に問い合わせてみても、すでに退社したとのこと。


 です…が、それもそのはず。


「…ひょっとして、あれ火星じゃないですかっ。ほんと引き返してくださいよ、ゴーフルさんっ」


「あなたは人形の身体が欲しくないのですか。これは、あなたの愛するシトさんと、同じ身体になれるチャンスなのですよ」


「そ、そんな…確かに、僕は彼女を愛していますが、でも自分まで人形になるなんて、それはまた別の話ですよっ」


「黙らっしゃいっ!」


 べきっ…! 


 ぐったり…


 ゴーフルさんの手刀を胸に気絶。そんな土岐雄を乗せた宇宙快速4126は、なおも宇宙の闇をゆく。


 以上。なぜか史都の代わりに、例のサンプルに選ばれた土岐雄の運命やいかに…

      

       

         彼女はリアルドール お・し・ま・い

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彼女はリアルドール 七七七@男姉 @138148

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