第4話 飲み屋で揺さぶる
仕切りのある半個室の飲み屋。
コンビ時代の行きつけだ。
「藤木先輩」
マナが驚いている。
「遅かったな」
「マナがやらかすから」
「それはゴメンなさい」
「マナちゃん。お昼、体調悪そうだったけど大丈夫」
「大丈夫です。藤木先輩のおかげで元気になりました」
「よくわからないけど良かった」
週末の事や藤木の趣味の話、昔話で盛り上がる。
「ちょっとトイレ行ってくる」
藤木が席を立って、お酒で少しご機嫌なマナが聞いてきた。
「先輩、私のことどう思っているかな」
「機会があったらそれとなく聞いてみようか」
「・・・ うん」
「ちょっとトイレ行ってきます」
藤木と入れ替わりでマナが席を立つ。
「藤木先輩。マナのことどう思っているの」
「どうって。俺はお前のことが」
「マナはツバサのことが大好きなんだよ」
「っていわれてもな」
「私から付き合えとは言えないけど、マナは私の一番の友人なんだからね。気に掛けてやってよ」
「それはそうだが」
そんな話をしているとマナが戻ってきた。
藤木が視線を送ってくる。
「どうしたの。何の話ししてたの」
マナったら声がうわずっている。
「何でも無いよ」
藤木は空気を読んで先に帰った。
「ねえ。どういうこと」
「何が」
「わかってるでしょ!」
「マナ落ち着いて」
怒ったマナ。私はうれしさを隠せているだろうか。
「藤木はマナの良さにまだ気づいていないだけだよ。最後はちゃんとマナのところに行き着くから。心配しないで。私もいるから。私はハイスペックだから」
マナが泣きながら抱きついてきた。私はマナを撫でる。
店を出るとマナは千鳥足だ。
「明日も仕事あるし、私んちの方が近いから今夜はうちに泊まろろうか」
「う~ん」
「とって食べたりしないから」
「そうする。ヒカルありがとう」
「いいよ」
これがマナに付く初めての嘘になってしまうかも知れない♡
先輩は私 マナは先輩 私はマナが好き みんな幸せになれば良いな♡ 最時 @ryggdrasil
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