あとがき

あとがき

 ということで、お昼休みに数分で読める小ネタをテーマにいくつか書いてみました。

 ちょっと汚い話題も挟んだりしてしまいましたが、何卒ご容赦ください。


 ところで、異世界召喚勇者に高校生をセレクトするのは無謀だと思うんですよ。


 私が召喚する立場なら、ドウェイン・ジョンソンのような超マッチョをセレクトします。

 即戦力になるパワータイプで、討伐対象である魔王にも負けない人物です。

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演のコナン・ザ・グレートではないですが、マッチョが持ったブロードソードでぶん殴られたら、大抵の存在は死にます。


 自分達の戦力では手に負えない存在を倒してもらうのに、ちょっと引っ叩いたら死ぬような存在を召喚して何の意味があるというのでしょうか。

 魔王討伐後に勇者を制御できなくなるかもしれない?

 制御できる勇者で倒せる魔王なら、召喚の必要なんてないでしょう。

 自分達で何とかしてください。


 制御不可能なパワータイプが超重量の鈍器or刃物でぶん殴る。

 力こそパワーです!


 高校生の筋力で片手で振り回せるほど超軽量なのに、ドラゴンの鱗も豆腐のように切り裂くほど切れ味が良い日本刀のような刃物で敵を倒す?


 まあそれも良いでしょう。

 でも切れるのは刃の部分だけですよ。

 刃渡りが1メートルなら切れるのは1メートルまでです。

 ルパン3世の石川五右衛門が振るう斬鉄剣のように、『光が煌めくとビルが切れる』なんてことは無理でしょう。

 五右衛門の場合は卓越した技術ゆえ可能なのです。

 ちなみにモンキーパンチの原作漫画『ルパン三世』には、『斬鉄剣』という名称は出てこなかった気がします。

 五右衛門の刀の銘は『流星ながれぼし』です。

 日本に落下した隕石を材料に作られており、刀身が熱を帯びている特殊な刀です。

 鋼鉄でも切り裂いてしまうほどの恐ろしい切れ味を誇ります。



 話がずれましたが、直径3メートルのドラゴンの首を一撃で切り落とすなら、3メートル以上の刃物が必要です。


 一般の高校生程度の貧弱な筋力では、いくら切り付けても鱗の一枚も切れないと思いますが、力を込めなくても触れるだけで切れてしまうヤバい刃物なのでしょう。

 しかもとても軽いので、その辺で拾った木の枝感覚で振り回せることでしょう。

 でも鞘に納刀しようとしてミスったら鞘が真っ二つです。

 そんなの持ち運べるのかな?

 抜き身で持ち歩くんだろうか。

 とりあえず、半径5メートル以内には近づきたくないなあ。


『刃渡り1メートルの刃物だけどオーラ的な謎パワーで敵を斬る時は3メートルの対象物も切れるんだ!』


 はあ。刃に直接ドラゴンの首が触れなくても切れちゃうのに、持ち運んでいるときは地面や鞘、自分自身や他のメンバーは切れない。

 素晴らしーです。

 勇者はいらないので、大量に作ったその刃物をたくさんの兵士に装備させて、魔王をボコりましょう。





『方便』という言葉をご存知でしょうか。


 これも仏教用語です。

 サンスクリット語のウパーヤupāya(近づく、到達する意)の訳です。

 仏教の教えや実践がむずかしくて、一般の人々に理解しがたく実行しがたいのを、彼らを教え導いて、仏教に親しみ、仏教の本旨に到達させるために考案された巧みな手段をいうのだそうです。


『嘘も方便』と言いますね。

 仏が衆生済度にあたっては、方便(手段)として嘘をつくこともある、ということから、大きな善行の前では、偽りも認められるということ。らしいです。


 仏教において、最後に全ての人を救うスーパーヒーローがいます。

 弥勒菩薩です。

 ただいま天界で修行中ですが、修行が終わればみんなを救ってくれるそうです。

 で、いつ修行が終わるのかですが『56億7千万年後』だそうです。


 大体、太陽系が終わるのと同じくらいらしいですよ。


 何が言いたいのか?というと、この『56億7千万年後』も『方便』なのかな?と思ったということです。

 ずっと未来になるけど、必ず救ってくれるスーパーヒーローがいるから安心してね!という優しい嘘なのかな。


『物語』という『嘘』を信じてもらうには、『リアル』も『方便』も必要だと思います。


 余計な疑問を抱かずに、あなたの描く世界に入り込むことができると信じて、筆を置かせていただきます。


 雑な文章にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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