第16話 服装に悩む人は、イメコン課金しよう

 昨日、某ックスのタイムラインが

「オタクの服装について」のお気持ちで埋め尽くされていた。


 時節話題になるので、「お、今年もこの時期が来たんか」と思わずワクワクしてしまった。

 しかも、発端は「とあるアパレルブランドのアニメコラボイラスト」に対して、「オタクの解像度が高い」という投稿がされてたのに、「最近のオタクの服装はおしゃれになってきてる」という引用がされていた事から。


 その引用には様々な意見が寄せられていた。

「いや、○○のところは古き良きオタクの服装だ」とか、「○○は量産型ばかり」とか、「推し活したいだけのやつが増えただけ」とか、「そもそも服装について言及すんな」とか。


 どれも楽しいツイートだ。なんというか、これぞ某ックスというのを感じる。

 素晴らしい、実に素晴らしい、某ックスのタイムラインである。と、筋金入りのオタク、腐女子である私は思った。


 まず、先に述べておくが、私的の意見としては、オタ活もなにも、「他人に迷惑をかけない服装」ならば、何でもいいと思うのだ。

 例えば、何日も洗濯してないとかは、風呂に入ってないとかは、周囲に迷惑をかけるだろう。

 綺麗な格好をしていても、スタンディングライブで、高い位置のお団子やツインテール等、つばの広い帽子、よく分からん触覚みたいなのが付いたカチューシャは、後ろの視界を遮るただの障害でしかない。

 スタンディングでピンヒールは、誰かの足を踏んだらそれこそ重症だし、本人もヒールが折れて怪我する可能性もある。

 長いポニーテールも、ぎゅうぎゅう詰めのライブなら、髪の毛が絡まったり危ない。

 強い香水も、他人の気分を害すだろう。

 また、パニエ入りのロリータ服やウェディングドレスも、周りの人の席や空間を狭める服はよくない。

 そういう、他人の楽しさを直接害すような服装以外なら、正直どうでもいいと私は思う。


 しかし、どうしても自分の服装が気になるという人は多いだろう。

「自分は人並みの格好をしてるか」

「自分はちゃんとおしゃれなのか」

「自分は可愛いのか」

 そう不安に思う人も多いと思う。


 実際に、件の投稿の引用には、「では、どんな格好をすればいいのか?」という悩みも寄せられていた。


 特に春夏は、頭を抱える人は多いのでは無いだろうか。勿論抱えない人もいると思う。

 いいと思うゴーイングマイウェイでいい、そんな人も私は好きだ。


 でも、悩む人のが多いのでは無いかと思う。

 特に、正直春夏の服装が一番難しいと思う。

 何故なら、「暑さ・冷房対策」、「コンプレックス隠し」、「オシャレ」の釣り合いがわからなくなるからである。


 夏だからタンクトップ、いや二の腕出す自信は無い。体型出る服は勇気がいる。

 冷房対策の羽織だって、しっくり来ない。

 髪型もどうすればいいのか。

 メイクもどう決めていけばいいのか。

 靴は? サンダルは? 鞄は?


 ああ、秋冬は良かった。コート、ニット、タイツ。

 どんな七難も隠してくれるすぐれものだ。


 しかし、夏はそうもいかない。

 一応オシャレ的な最終手段として、全部UVケア対策服で覆い隠すというのもできるのだが、「そういうのじゃない」という人も居るだろう。


 さあ、ではどうするか。


 簡単だ、イメコンに課金しよう。

 イメコンってなんだ?

 イメージコンサルタントのことだ。


 イメージコンサルタントって、何をしている人だ?

 自分の印象をどういう風にしたいかについて、戦略的にアドバイスをしてくれる人である。


 それは一体どうやって?

 手法としては、巷でいう「ブルベイエベ」とか、「骨格ストレート・ウェーブ」とかである。


 ここまで読んで、「え、いや、そんなん、まやかしだろ?」と思う人もいるだろう。

 実際にインスタでは、「イエベ・ブルベや春夏秋冬なんて関係ない好きな物を身につけよう」的な運動を見ることはある。

 勿論、「それだけ」じゃ片付かないことはあるが、「人それぞれ得意不得意がある」と思わないだろうか?


 例えばだ、「自分がオシャレな同性アイドルや女優の私服をまるっと買いして着たとした時、それは似合うのか似合わないのか」考えたことはあるだろうか?

 または、「この時の○○は最高だ! ってなったけど、じゃあ他の時との違いは何だろう」と考えたことは無いだろうか?

 もし、この違和感を感じるならば、そこにはイメコンの力が存在する可能性がある。

 そして、別にイメコンは色だけでは無い。診断内容も多岐にわたる。

 そして、どれもしっかりと手順、データや実績値に基づいて、診断してくれる。(ちゃんとした店や人を選べばだ、店選びはしっかりとした方が良い)


 そして、その診断に基づいたアドバイス、実際の自分を見てや要望に添っての、アドバイスを貰えるし、少し課金すれば買い物同行プランがある人も多い。

 また、アフターフォローのサービスも多いので、季節ごとに困ったら頼ることもできる。何なら、質問だけなら永年無料の人も居たりする。

 診断一発は諭吉超えしてるが、自分のことを知っているプロのアドバイザーがいるというのは、とても心強いのではないだろうか。


 では、診断内容があるのか?


 診断の主は以下の通り。素人な私の診断や個人的感想も記載するが、あくまでも参考程度に見てほしい。


 ・パーソナルカラー(4,12,16タイプ)略称PC

 一番一般的に知られている似合う色の診断。

 イエベ、ブルベ、春夏秋冬など。

 数字が大きくなるほど、色相、彩度、明度、清濁度を見て、得意な色を絞りやすくなる。

 1st2ndを診断してくれる場合が多い。

 ただ、後述で書くがこれだけじゃぶっちゃけ、判断しきれないところがある。


 私は、4タイプは冬。

 16タイプは1st deep冬、2nd deep秋。

 イエベかブルベかは、ブルベがうっすら勝ってるようなニュートラルな肌である。


 ・骨格診断(3,7,9,12タイプ)

 二番目に有名な診断。身体のバランスや、四肢の特徴等から判断する。

 自分の体型を診断し、一番美しく見せる方法を教えてくれるもの。

 ストレート、ウェーブ、ナチュラルという文言は良く見るだろう 。

 着痩せ、着太りが起きやすい人は、参考にしても良いと思う。

 私は、そもそも服の形を選べない(種類が無いから)ほどのデブのため、痩せたら受けようと思っている。


 ・顔タイプ診断(8タイプ)

 最近話題になってきた診断。

 自分の顔面写真から割合を測り、チャート図での配置を見て、どのタイプに近いかを出してくれる。基本的にはどういうメイクや、服装が顔と似合いやすいか。自分が好きなイメージに寄せるにはを知るために使いやすい。

 とにかく顔面接写を強くしたいなら、これ。

 私は、クールカジュアル寄りのナチュラル。


 ・パーソナルデザイン(6種類8タイプ)略称PD

 顔立ちだけではなく、全体の雰囲気から、自分の外見にマッチするものを選ぶ。(といっても、顔タイプ×骨格診断というわけではなく、本当に全身のトータルの雰囲気や印象から診断)

 全体の雰囲気の方向性を決めるのに最適。

 基本的に1st2ndがあり、その組み合わせで診断される。

 私は、1stナチュラル 2ndファッショナブル。略称ナチュファ。


 大体、こんな感じである。他にも色々あるが一旦ここまで知ってればいい。

 こんな感じで、様々な理論に基づく診断によって、自分が現実何者なのかを診断し、そこから自分がどうなりたいのかをアドバイスしてくれるのがイメージコンサルタントである。


 さて、ここまで書いた時、「でも、こういうのって、好きな服否定されたりするんでしょ?」と思う人もいるだろう。

 先に言おう、イメージコンサルタントはあくまでも「現実的な得意不得意」であり、「好きな格好への近づけ方」も理論的に把握することができるのである。寧ろ否定してきた人は、コンサルタントとしては微妙だろうなと思う。自分の好きを取り入れる方法を一緒に考えてくれる、そんなコンサルタントの人にしましょう。


 また、「理論さえわかれば自己診断でもいいのか?」と思う人もいるかもしれない。

 しかし、パーソナルカラーというのは、一定の条件下をクリアした空間で、ドレープを当てて客観視してくれる人がいないと難しい。自分の好きな色は似合ってると思ってしまう、自分の心を疑えるのだろうか?


 顔タイプは確かにAI診断でもイケそうな気はするが、自分の写真の撮り方や顔の浮腫方で変わる可能性もある。

 それに、例え顔タイプがわかっても、パーソナルカラー、骨格診断等と組み合わせが悪い場合がある。

 私の話にはなるが、顔タイプ診断した後、パーソナルデザインを受けたのは、顔タイプと全体の雰囲気が噛み合わなかったせいである。

 また、似合う色も最初「濃い色」ばかりで、春に使える軽やかな色が一つも無かった為、頭を抱えたということもある。

 そして、似合うとされた「濃い茶色」がなんで挑戦しても絶妙に似合わないという。


 では、上記のようになんだか似合わない時にどうすればいいのか? と悩んだ際に、イメージコンサルタントに質問できる。というのが、やはり素晴らしいのである。

 イメージコンサルタントは奥が深い。深いからこそ、自分の外見を知る一つの手段として試してほしいと思う。


 でも、なぜ世間は「イメコン診断なんてどうでいい、好きなモノを着ろ」というのだろうか。

 それは思いつくだけでも、三つ理由がある。


 ①イメコン診断に縛られすぎてる人が多い

 ②自分や他人のことを自己診断する鬱陶しい人がいる

 ③言ってる人が既にオシャレな人


 ①は、タイムラインにも多いと思う。

「イエベ春はこうじゃなきゃ」とか、「骨格ウェーブの服はこうじゃなきゃ」とか、「顔タイプフェミニンはこうじゃなきゃ」とか。

 自分の首を絞める人は多い。

 診断結果はあくまで診断結果であり、自分が着る服に「こうじゃなきゃいけない」ことは少しも無い。

 私だって、「濃い色」が似合うが、真夏には暑苦しくて仕方ない。

 顔タイプはカジュアルだが、可愛い服だって着たい時はある。勿論、くたくたのダル着だって着る。

 好きな服を買え、好きな色のコスメを買え、似合わせるのが難しいなら得意な色と組み合わせたりすればいい。

 勿論、①を遵守する方が楽ならそうすればいい。息がしやすい方を選んでほしいと思う。


 ②、これは良く見る。

 特に芸能人のインスタで「○○です」と主張する人も増えた。コンサルタントも例としてあげていることも多い。

 ただ、「そういうの興味ないのに勝手に診断してくる匿名の奴」が増えているのも現実である。

 勿論、友人に対して、診断する人もいる。私も昔やらかした。いいか、絶対にプロ診断して貰わない限り信用してはならない。

 私も悉くそれを感じている。

 このあまりの鬱陶しい素人診断に、診断された人達が「んなもんいるかー!」ってなるのは、想像しやすいと思う。


 ③については、正直鵜呑みにしてはいけないと思う。

 小説を書いている人で例えるならば、「そんな理論に頼らずとも売れる本は書けます」と天才売れっ子作家が言ってるようなもの。

 料理を作る人ならば、「舌があれば美味しいものは作れます」と言う有名な料理長が言うもの。

 ゲームをやる人ならば、「いいキーボードとマウス用意しとけば勝てる」という優勝チームのプロゲーマーが言うもの。


 天性のものや、経験による研ぎ澄まされた感覚があるのに、そこを度外視してるのである。

 んなものに、普通の素人が! どうにかなるはずがないだろ! と、私は思う。


 イメージコンサルタントは、プロが用意したチートシート的なものなのだ。

 服に興味なくても、イメージコンサルタントの抑えたところを使えば、自分が望む印象を与えることができるのである。


 そう、服に興味なくても、自分の服のデッキをプロが組んでくれるのである。

 これって、凄く便利ではないか。


 なので、私としては、自分の服に悩む人は、一度イメージコンサルタントに課金してほしい。好きな物は好きで良い、ただそこに似合う物を取り入れたら、もっと好きな物が着やすくなると思う。


 まさに、イメージコンサルタントは、今後に役立つ散財チャァァンスだと思うのだ。


 ちなみに、私の課金額。

 顔タイプ診断×16タイプPC 15,000円

 パーソナルデザイン×4タイプPC 34,000円

 合計 49,000円


 ……皆、参考にしてくれたらと思う。

(初めて課金合計額見た人の図)

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宵越しの金は、何故持てないのか? 木曜日御前 @narehatedeath888

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