『可愛い』私を見ないでください

『可愛い』

その言葉はいつだって文武両道の才女を傷つけた。私の価値は『可愛い』しかないのかと。

「信じて。長谷川さんの問題はあたしが必ず解決してみせる。だから今日から、付き合ってください」

他人を助けたがる生徒会長にそう言われ、偽りの恋人関係ははじまった。全ては私に対する『可愛い』が少しでも減るように。

「本当に好きになっちゃうけど、いいの？」

これは、そんな偽りの関係が本物に変わるまでの物語。