番外編

【完結記念】副読本風裏話

シゲ:重、シオン(御園花子):花、タケ:丈、オミ:尾


重「呼ばれて来てみたら……なんだか珍しい組み合わせだね。シ……花子さん。これは何の集まりかな?」

花「シゲ、待っていましたよ。こちら創作秘話を語る裏話になっています」

重「うわぁメタい。いいのか? なんかさぁ、世界観というかあるだろ? こういうの好きじゃない人も多いと言うか」

丈「はは。諦めたまえよシゲ。この作者のお決まりらしい」

尾「そうっすよーシゲ先輩、毒を食らわば皿までっす」

重「そうかーすでに毒入りは確定かー」

花「まぁまぁ、そう気を落とさないでくださいシゲ。私はワクワクします。では作者さんからいただいた構想のメモを読んでいきましょう」

丈「よっ! 待ってましたとも」

重「嫌だなぁ」

尾「シゲ先輩なんでそんな悲観的なんすか」

重「俺の地獄みたいな境遇を喜々として書くやつの構想がまともなわけがない」

尾「考えすぎっすよー。ねぇ、花子先輩」

花「えっとー、そのー……」

重「いいよ花子さん。どうせそんなことだろうと思ったから。で、どんなのかな?」

花「最初の構想だとシゲの心臓って取っても生える設定だったみたいです」

重「おい作者表出ろ」

尾「裏話っすから今表出たら逃げていっちゃうっすよー」

丈「お。うまいね、オミさん」

重「うまいわけあるか。まずいだろ絶対。俺、人間じゃないぞ?」

花「ですね……設定だと御園家当主、私の父ですね。あの人でなしがもっと人でなしになって自分のスペアの心臓を作ろうとして作られた人造人間みたいな感じです」

重「そら見たことか!」

丈「流石にひどい話だなぁ。でも人造人間か。浪漫だね」

重「何が浪漫だ、他人事だと思って」

花「ふふ。続けますよ? 御園礼二は自分の分だけのスペアを作るつもりで、人造人間を作るつもりはなかったみたいです。でもそれを憂いた春日井先生が心臓が二つある人間を作ってそうなる予定だったとか」

重「こっちでも作ってるけどなぁ!? いや。まぁ、そこはとやかく言うつもりはないけどさ」

丈「はは。熱くなるとつい言い過ぎて、すぐしゅんとする。全くシゲらしいなぁ」

尾「そうっすねー」

花「……お二人ともシゲのことを知りつくしてて羨ましいです」

重「いや花子さん。こいつら言うて長い付き合いってわけではないよ? タケは一年ちょいあるけど、オミは三ヵ月とかそんなもんだ」

尾「ひどいっすね。アタシと先輩の仲じゃないっすかー」

花「シーゲー?」

重「いやいやいや! やましいことなんて何もないよ!? 本当に!」

尾「そうやって狼狽えるところとか怪しくないっすかー?」

重「なんで追い込むんだオミ!? 俺何かしたか?」

丈「まぁしただろうな。シゲ、逃亡のときオミに相談しなかったらしいじゃないか」

尾「ちょ、タケ先輩!? 言わないでくださいっすよ!?」

重「なるほどな。それで拗ねてるのか」

花「なぁんだ、そういうことですか……ふふ。もうちょっとだけ設定があるので続けますよ? 9話でテレビに出てきたブラントム博士のところに被検体として逃げ出すのが当初の最終回の構想だったみたいです」

重「被検体として逃げ出すって何……!?」

尾「シゲ先輩じゃないっすけど、この作者だいぶあやしいっすね」

花「私もちょっと擁護できないです……ンン。続けますよ? えっと、リアリティを重視したいから設定を修正してバニシングツインにしたみたいです。実際にあるみたいですよ? 双子の片方を取り込んでどこかしらが残る現象」

重「あるんだ……」

尾「まぁ、シゲ先輩のパターンはそうそうないと思うっすよ」

重「あってたまるか。はぁ……何、花子さん? え? これ俺が言うの……? ンン。この作品はそういう症例の方を侮蔑する意思はありません。むしろ自分たちと何も変わらないということを伝えられたらと思っています、だそうです」

花「はい。ありがとうございますシゲ」

尾「まー作者の言いたかったことって結局そこっすからね。この長ったらしい内容上の三行でいいっす」

重「呼び出しといてそれはひどくないか!?」

花「そうですね。それじゃあ次の番外編はデート回にしましょう!」

重「いやそれじゃあじゃないよ花子さん。この作品にそんなの求めてないって」

花「何言ってるんですかシゲ。この作品はラブコメですよ?」

重「……これラブコメだったの!?」

丈「シゲ、それはちょっとあんまりじゃないかい?」

尾「うわー、シゲ先輩マジっすか」

重「いやいやいや! だってシリアスのほうが多かったしさぁ」

花「まぁ、シゲの言いたいこともわかります。作者の三人称慣れのために即興で思いついたネタを書きながら話組み立てたそうなので」

重「即興でなんて地獄生成してくれてんだよ」

丈「おいおい地獄って、シゲには花子さんがいるじゃないか。ボクなんか見ろ。高良山さんには春が来そうなのに一人だぞ」

尾「夏真っただ中に春なんか来ないっすよ、タケ先輩」

重「オミ、それ以上いけない」

花「ふふふ。さて、そろそろお時間みたいです」

重「そうなのか? じゃあ締めの挨拶を誰か――」

丈「おいおい。誰かってやるならシゲしかいないだろう?」

重「ああ、やっぱり? ンン……では改めまして。『君にもう一つの心臓を』を読んでいただいてありがとうございました。撤収!」

丈「おいシゲ。撤収て」

尾「締まらないっすねー」

花「ふふ。シゲらしいです。では皆様、また会う日まで、ごきげんよう」


――完

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君にもう一つの心臓を 蒼瀬矢森(あおせやもり) @cry_max

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