第11話

9月18日の朝6時半頃であった。


ところ変わって、家の大広間にて…


竜興たつおき!!義興よしおき!!荷造りはできたの!?おカーさんは急いでるのよ!!」


朝早くから実可子みかこの怒鳴り声が響いた。


実可子みかこは、サックスバーの特大サイズのスーツケース2個を持っていた。


実可子みかこの怒鳴り声でたたき起こされたそのみは、ものすごく困った表情で大広間にやって来た。


そのみは、ものすごく困った表情で実可子みかこに言うた。


「ちょっと実可子みかこさん、朝から怒鳴りをあげないでよ…」


実可子みかこは、ものすごくいらついた声でそのみに言うた。


義母おかあさま!!うちら母子おやこは危ないのよ!!」

「危ないって、どう言うことよ?」

「さっき、ヤクザの男がうちのスマホに電話をかけてきたのよ!!」

「(そのみ、小首をかしげながら言う)ヤクザ?」

「(実可子、ものすごくいらついた声で言う)義母おかあさま!!うちら母子おやこはキョーハクされたのよ!!」

「キョーハクされたって?」

「ダンナが新岩国駅の近くの新幹線ガードの下で愛人おんなと一緒にえげつない死に方をしていたところを(デジカメで)撮影した…ネットにあげるぞとおどされたのよ!!」


実可子みかこがひどくいらついた声で言うたので、そのみはものすごく困った表情で言うた。


実可子みかこさん、落ちついてよ…」

「落ちついてなんかいられないわよ!!…カネよこせと言われたのよ!!」

「だから落ち着いてよ〜」

「はぐいたらしいわね!!この近辺にヤクザがうろうろしているのよ!!うちら母子おやこは危ないのよ!!…竜興たつおき!!義興よしおき!!急ぎなさい!!ヤクザが家の近辺をうろうろしているのよ!!急ぎなさい!!」


午前7時半頃であった。


(キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル…グォーン!!…キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ!!グォーン!!グォーン!!)


家のカーポートから白のマツダデミオが出発した。


実可子みかこ母子3人は、スマホなどの通信機器類と身分証明書類を持たずに家から出たあと帰らなくなった。


それから数時間後であった。


実可子みかこ母子は山口県岩国市の港湾施設で車ごと海に落ちたあとそのまま沈んでしまった。


時は、午後2時過ぎであった。


再び、豪邸いえの大広間にて…


家の大広間に富士夫ふじお竹宮たけみやがいた。


この時、そのみはパートに出ていた。


藍子あいこは、外に散歩に行ってた。


…ので、家の中にいたのは富士夫ふじおだけであった。


その時に竹宮たけみやが家にやって来た。


竹宮たけみやは、富士夫ふじおに対しておそろしい声でイカクした。


「あんた方の息子さんふたりがフリョの事故で亡くなられたことについては哀れだったな〜…ふたりとも、悪いことをしたあげくに亡くなった…テテオヤであるあんたもついてないのぉ〜…ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…」


富士夫ふじおは、居直った声で言うた。


「なんとでも言えばいい…わらいたけりゃわらえばいい…」


竹宮たけみやは、人をグロウする声で富士夫ふじおに言うた。


「あんたはくやしくないのか…自分のせがれふたりがえげつない死に方をした…それなのに、くやしいと思わない…それはどう言うことやねん?…さっきニュースでいよったけど、岩国の港湾施設で母子3人が車ごと海に転落した事故があったといよったけど…」


富士夫ふじおは、やる気のない声で『そんなことはどうでもいい…』と言うたあと、竹宮たけみやに『帰ってくれ!!』と言うた。


竹宮たけみやは、怒った声で富士夫ふじおをイカクした。


「なにィ!!ワシに帰れだと!!」

「もうこらえてくださいよ…わたしたちは…しんどいんですよ…」

「それでワシが『ほな帰ろわい…』と言うて帰るとおもとんか!!」

「ですから、わたしはしんどいのですよ~」

「コラ!!オンドレはきょうまでの間、ぎょーさん悪いことしよった!!…あのときのオトシマエをきっちりつけてもらうまでは、ワシはなんども来るぞ!!」

「オトシマエって、なんのことでしょうか?」

「37年前のことを忘れたとは言わさんぞ!!」

「37年前?何のことかさっぱり分からない…」

「コラ!!オドレは忘れてもオレは忘れていないぞ!!」

「あんたがいよる37年前の意味が分からない…」

「…ってことは、オトシマエはつけないと言うことだな!!…と言うことは、永眞えまのことはどーでもええと言うことだな!!」

永眞えまのことは忘れた!!」

「ああさよか…ほんならオドレはワシの要求には応じないと言うことだな…よぉ分かった…オドレは、村前むらさきのじいさんに頼まれて永眞えまの養子縁組を引き受けた…その間に、永眞えまの実の両親の親類縁者が何ものかによって皆殺しにされた…」

「もういいでしょ…」


富士夫ふじおは、竹宮たけみやの話をさえぎった。


しかし、竹宮たけみやはよりおそろしい声で富士夫ふじおをイカクした。


「ワシの話はまだ終わってへんぞ!!…オドレは、永眞えまの養子縁組を引き受けたあと、リフジンなことをした…最初のうちは『かわいいかわいいかわいいかわいいかわいい…』と言うていつくしんでいた…けれど、オドレは何をやっても3日ボーズの性格だからすぐにあきた…そしてその末に永眞えまは、(旧)国鉄の五日市駅に置き去りにした…置き去りにしたのはあんたの何番目かの嫁だった…その嫁は、置き去りにした直後に行方不明になった…あんたはその時どこにいた!?」

「会社にいた…」

「うそつけ!!オドレその時、愛人おんなとラブホでいやたいことしよったじゃないかぇ!!」

「違う!!会社にいた!!」

「あんたがどないに否定しても、一度ついた汚点おてんは一生消えまへんで〜藍子あいこが身代金目的でユウカイされた事件…起史たつしの実母があんたのマタハラが原因で死に至ったことについてもきっちりとオトシマエつけてもらいまっせ〜」


竹宮たけみやから凄まれた富士夫ふじおは、ひどく動揺した声で言うた。


「オトシマエつけろと言うのであればオトシマエをつける…どれくらい払えと言うのだ?」


竹宮たけみやは、富士夫ふじおに金額を提示した。


「せやな…最低5000万…かな?」

「5000万…」

「なんだったら、1000万でもいいぞ~」

「1000万だったら、すぐに作れる!!」


富士夫ふじおは、ふところからスマホを取り出したあと電話をかけようとした。


「どこへ電話するのだ?」

「ハウスドゥ(不動産屋)へかける…リースバックを申し込むから待ってくれ…」

「そうか…分かった…」


富士夫ふじおが電話をかけようとした時であった。


富士夫ふじおのスマホに電話の着信音が鳴った。


「ちょっと待ってくれ…」


富士夫ふじおは、電話に出た。


電話は、警察署からであった。


そのみがパート先の店の前の横断歩道でひき逃げ事故に遭って亡くなった…と言う知らせを聞いた。


知らせを聞いた富士夫ふじおは、大急ぎで警察署へ向かった。


富士夫ふじおは、身元確認などをするためにしばらくの間警察署にとどまることになった。


竹宮たけみやは、出直すために一度家から出た。


時は、深夜11時50分頃であった。


(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…)


けたたましいサイレンがやみ夜に響いた。


豪邸いえから2キロ離れた先の家で火災が発生した。


火災が発生した家は、ヨリイくんの奥さまがいた家であった。


ヨリイくんの奥さまは、職場でいじめられたことを苦に火を放って自殺したようだ。


火災現場に、広島市の消防本部の車両5台が停まっていた。


消防士たち30人は、必死になって消火活動に取り組んだ。


火は、翌朝5時頃に鎮火した。


話は、それから8時間後のことであった。


この時、富士夫ふじおはまだ警察署にいた。


家の中には、藍子あいこがひとりでいた。


その時に、竹宮たけみやが再び家にやって来た。


藍子は、白のプリーツスカートとピンク色のブラウス姿であった。


竹宮たけみやは、藍子あいこに対してもう一度やり直したいと申し出た。


しかし、藍子あいこは『イヤ!!』と言うて拒否した。


藍子あいこから拒否された竹宮たけみやは、おそろしい声で藍子あいこをイカクした。


「なんやて!!オレとやり直しはできんと言うのか!?」

「イヤと言うたらイヤ!!帰って!!」

「そうか…ほんならやむを得ない!!」

「イヤ!!」


思い切りブチ切れた竹宮たけみやは、藍子あいこの背中に無理やり抱きついたあと、両手でMカップの極爆乳おおきすぎるおっぱいをつかんだ。


「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


藍子あいこは、し烈な叫び声をあげた。


竹宮たけみやは、よりし烈な怒りを込めながら藍子あいこをイカクした。


「オドレが最初に中絶おろしたことをバラすぞ!!…オドレよくも親御おやにチクったな!!…オドレが16の時だった…オレにレイプされたことを親御おやにチクったことが原因でオレは働いていた店をクビになった!!オドレのせいでオレはヤクザになった!!…その2ヶ月後…オレの子を中絶おろした!!」

「やめて!!やめて!!イヤァァァァァァァァァァ!!」


藍子あいこは、竹宮たけみやによって床に倒された。


(バシッ!!バシッ!!バシッ!!)


「痛い!!痛い!!痛い!!」


藍子あいこは、竹宮たけみやから平手打ちで顔を叩かれた。


そして…


(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!ブチッ!!)


「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


藍子あいこが着ていたピンク色のブラウスがズタズタに切り裂かれた。


つづいて、下に着けていた白のブラジャーがちぎれた。


ブラジャーの中からMカップの極爆乳おおきすぎるおっぱいがあらわになった。


(ガツーン!!)


藍子あいこは、竹宮たけみやからグーで思い切り顔を殴られた。


(カチャカチャカチャカチャカチャカチャ…)


竹宮たけみやは、ズボンのベルトをゆるめたあとズボンとブリーフを脱ぎながら震える声で言うた。


「ふざけるな!!よくもオレを裏切ったな!!よくもオレを裏切ったな!!」

「イヤ!!イヤ!!」

「ふざけるな!!」

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!やめてー!!」


竹宮たけみやは、藍子あいこが着ているプリーツスカートの中に右手首てくびを無理やり入れた。


スカートの中から、オオムラサキ柄のレギュラーショーツが引きずり出された。


「やめて!!やめて!!やめて!!」


竹宮たけみやは、ショーツを足もとから抜きとったあと藍子あいこあしを無理やりあけようとした。


藍子あいこ!!もう一度オレとやり直せ!!」

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


その時であった。


「オドレよくも!!」


(ガーン!!)


この時、帰宅した富士夫ふじおがゴルフのドライバーで竹宮たけみやの背中を殴りつけた。


「なにしやがる!!」


富士夫ふじおにドライバーで殴られた竹宮たけみやは、ハンラの状態で富士夫ふじおに殴りかかった。


その間に、藍子あいこは外へ逃げ出した。


外へ逃げ出した藍子あいこは、家から数キロ先の場所へ逃げた。


その間に、富士夫ふじお竹宮たけみやの間で乱闘が繰り広げられた。


それから3時間後であった。


富士夫ふじおは、竹宮たけみやが持っていたナイフで刺されて殺された。


竹宮たけみやは、ものすごく荒い息づかいをしながらこう言うた。


「ハアハア…なんやねん一体…」


その時であった。


(ガーン!!)


「ぐわああああああああああああああああああああああああああああ!!」


この時、家に戻って来た藍子あいこ竹宮たけみやの頭を金属バットで殴りつけた。


その場に倒れ込んだ竹宮たけみやは、頭を両手で抱えながら苦しんでいた。


「頭が痛い!!頭が痛い!!ぐわああああああああああああああああああああああああ!!」


その後、藍子あいこはナイフで竹宮たけみやをズタズタに刺して殺した。


それから1分後…


「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすん…」


その場に座り込んだ藍子あいこは、くすんくすんと泣き出した。


【終】

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