宮川さんとのコラボ配信
「同級生男子とコラボしてみた」
これはとなりの宮川さんが人気Vtuberになるための会話の特訓をする話。
無口な宮川さんと話せる時間。それは朝の教室で二人きりのときだけ。 のはずだったが。
今日は宮川さんの初めてのコラボ配信だ。
コラボ相手はまさかの僕。
というよりも僕はVtuberでもなく、立ち絵すらないので声だけでのコラボだ。
これをコラボといっていいのか?
そう思っていると宮川さんから通話がかかってきた。
「こんばんは」
「こんばんは、宮川さん」
「今日は私の初めてのコラボ配信よ。初めてのコラボ相手がVtuberですらないなんて。何を考えているのかしら」
「誘ってきたのは宮川さんのほうでしょ!こっちが聞きたいよ!」
「とにかく、失敗は許されないわ。この配信にあなたのおじいちゃんの魂を賭けてもらうわ。」
「なんでおじいちゃんなの!賭けるなら僕の魂をかけるよ!」
「よし、じゃあ始めるわよ。最初はいつもどうりやるから、あなたは私がはなし終わるまで息を止めてなさい」
「なんでよ!普通に喋らずに黙ってるよ」
こうして宮川さんの初めてのコラボ配信が始まった。
「みなさんこんにちは。Virtual Youtuberの「狐山 コン子よ」。今見ている人はチャンネル登録をしなさい。じゃないと殺すわ」
「ちょっと!いきなり脅しはだめだよ!やってることがヤクザとおんなじだよ!」
「黙ってなさいって言ったでしょ。何勝手に話してるのよ、ポチの分際で」
「最近ポチ呼びが定着してきてるよ!同級生をポチ呼びは確実に印象がわるいよ!」
すると宮川さんは突然、画面に犬の絵を表示させた。結構うまい。
「みんなに紹介するわ。この犬が私の同級生の「ポチ山 タマ五郎」よ」
「偽名にしてもあんまりだよ!あと犬か猫なのかわかりづらいよ!」
「この犬は初対面で、「ポチって呼んでください」って言ってきた変態よ」
「そんなこと言ってないよ!勝手に事実を捏造するのはだめだよ!」
「ポチおすわり」
「もう座ってるよ!宮川さんの命令で座ったわけではないよ!」
「ポチスパチャ投げ」
「コラボ相手にスパチャを強要するのはだめだよ!すぐに炎上しちゃうよ!」
「使えない犬ね。せっかくコラボしてあげてるんだから何かやりなさいよ」
「コラボしてあげてるのはどっちかというとこっちだよ!何かっていわれても無理だよ!」
「ほらあなたの特技を見せてあげなさい」
「僕の特技?何だったっけ?」
「ツッコミよ」
「もう何回も見せてるよ!むしろツッコんでしかないよ!」
「今日は顔みせだけの予定だったからこの辺で終わろうかしら」
「僕はすごく疲れたよ。それに顔なんて見せてないよ。知らない犬の顔だよ」
「それじゃあみんなバイバイきーん」
「キャラと全然あってないよ!」
宮川さんとのコラボ配信は続く
となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい usi(ウシ) @touryou2001
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