第2話 先生1日目?〜通勤〜

 ふぁ〜。


 大きなあくびをしながら歩く。気温もだいぶ暖かくなり、見渡せばまだギリギリ咲いている桜の木が並んでいる。


「普通入学シーズンに桜って咲くもんだよなぁ……最近じゃ、入学式当日に桜が咲いてたらめちゃくちゃラッキーだけど」


 1人でそんなことを考えながら今日から働く学校へ向かう。

 昨日は緊張で全く眠れず、九時とか言う今時小学生でも寝てない時間にベットに入り目を閉じた。

 どうしても眠りにつくことができず、暗い部屋で1人ネットを開いては「教師 好かれる方法」などと調べては目を閉じ。と言うのを繰り返していた。


「やっぱ、先生だもん、生徒から慕われて人気の先生に〜…」とかなんとか妄想だけが膨らむが、そもそも俺は陰キャだし、顔もイケメンなんかじゃなくて普通で、冴えない凡人だから自信はない。


 だから不安で寝られないし、ネットで訳の分からんことばかり調べてて今朝の寝坊に至る訳だ。


 道行く制服姿の学生を見ると「あ〜この子も入学式かな?」なんて親近感が沸いてくる。


 そんなこんなで駅に着いた、少し遅れて電車も到着したが、まぁそんな遅刻するような遅延でもないし焦らずに乗った。

 電車に乗る時間なんて五分間の一駅だけだからこの満員電車も別に苦痛ではなかった。


 学校の最寄駅についた、さてさてここから徒歩五分の所に学校があるらしい。

 同じ学校が目的地であろう学生達に紛れて俺も歩みを進めていくことにした。


 もしかしたらこの中に俺の担当する生徒がいるのかもな〜なんてワクワクしながら寝不足でフワフワしている状態で歩いていたその時だった!

 左折しようとした大型トラックの死角に入ってしまい、タイヤに巻き込まれてしまった。


 そこからはもう記憶が曖昧だ。


 悲鳴をあげている人がいたようにも思えるし、凄く痛かったような気もする、遠くからサイレンがなっていたようにも思えるし、「大丈夫ですか!」と声をかけてくれた人がいたような気もする。

 意識が遠くなっていく、寒いような暑いような、声も出ないし力も入らないし、死を悟った。


「あぁ…しょうもない死に方だったな…妄想にうつつを抜かしたり、寝不足で頭回らなかったり…」


 "こうして俺の人生はあっけなく終わった"


 …

 ……

 ………


 かに思えた。

 轢かれたはずなのにあたり一面緑いっぱいの森にいるんだが???


「イッタイコレハドユコトナノ…?」


 頭がはてなでいっぱいの俺は三秒後すぅと大きく息を吸いこれまた大きな声でとにかく叫んだ。


「ここはどこなんだぁぁぁぁ!」

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異世界天才!?いや、俺教師免許は持ってます!あ…先生になる前にここに来たんですが…〜異世界で上手く生きる術を俺が全部教えてやる!〜 泳田颯 @OyogidaHayate

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